序章

宝石と世界とのつながりを考えていたらば

膨大な量になりそうで、

つらつらとブログに寄稿しようかと思います。

 

自国ファースト。

 

不確実な世の中で単純に

既得権益を得たい、守りたいと考えるのは

当たり前のことです。

具体的な既得権益につながる要因は

領土、人種(移民も含め)の優位性、宗教などの

独自の生活スタイルの維持、拡大

そして経済格差があげられます。

こういった案件は国の独立、紛争、政権交代の大きな理由ともなります。

 

こと経済においては

長い時間をかけて

概ね様々なスタイル(資本、計画経済などなど)と

その組み合わせ(民主主義と資本、共産主義と計画経済をベースに

大小の政府、無政府、民主主義と計画経済、共産主義と資本)

が世界中で試され、

各国がその国の特性にあわせて

組み合わせを模索する時代になりました。

そのためお互いに補完しあう、

今までのブロック経済とは違い

二国間から多国間においての経済連携が

生じる中で、いかに国が交渉の切り札の

良いカードを持っているかが重要になります。

なければロシアにおける不凍港のように

どうにかしてそれを得ようと

するのは(手段はもちろん別として)

自明の理です。

 

その国の強さの直接的な要因のひとつは

資源だと言えます。

ただしその資源との付き合い方で

その国の明暗がわかれてもくるのです。

例えば、石油。

石油によって潤っているアラブの国もあれば

ベネズエラのように世界一の埋蔵量をほこりながら

トップがその享受におぼれれば

最貧国にもなりかねないのです。

 

さて日本はどうでしょう?

資源が少ないと言われる中でも

大きな経済発展をしてきた稀有な国です。

高度経済成長期では資源が少ないからこその

ストイックな環境の中で、何かを作り出す知恵が

強みであったわけです。

また過去においては、

鎖国(実際はしてないといわれてますが、便宜上)時の

捕鯨基地として、

現在のアジア圏へのアメリカの橋頭保的な地理的役割も

強みといってもいいでしょう。

ただ実は日本も資源の強みはもっていました。

一つは銀。

衰退しましたが、一時期は世界の三分の一の

輸出量も誇っていました。

さらにはあこや。

高度経済成長期に日本の水産輸出品の一位にもなり、

現在でもほたてにつぐ日本を代表する

水産資源です。

日本も独自の強みを再認識し

これからの世界との争いに

したたかに臨まなければいけません。

 

まあこのお話は別の機会にして、

今回重要なのは日本でも

銀、あこやと宝石関連が経済の下支えになった点です。

さてでは宝石の経済的な特性とは

どういったところでしょう?

 

家の庭できれいな石を拾いました。

磨いたらもっときれいになったので、

知り合いのお金持ちに見せたら

とても高く買ってくれました。

 

素材コストゼロ、加工賃は自分の手間だけ

運ぶのも便利、思わぬ高額になる可能性あり。

もしその石が世界で自分の庭でしかとられなかったら

さらにすごいことに、、、

 

いいとこだけ抜粋しましたが、

これを国の規模で考えたらかなりの強みです。

たとえばルビーで考えると

きれいにする手間はまず加熱。

耐火の容器(るつぼ)と

それを1500度くらいに熱する釜があればOK。

研磨も机一つぐらいのスペースで

電気も使わずできます。

実際ミャンマーでは足踏みミシンの要領で

旋盤をまわして研磨をしていました。

携帯性にも宝石は優れます。

一円玉にみたいな大きさのものが

何十万、何百万になり、

それがポケットに数粒で、

ひと財産。

ましてや世界には本当にその国でしか

取られない宝石がたくさんあります。

 

いい話ばかりですが、

もちろんそれだけではありません。

デメリットで考えると

まず嗜好品であること、

宝石は工業利用できなければ使用価値は満足度くらいです。

実際に世界規模では場合によってはダイヤより

スーパーカッパーと言われる銅や鉄鉱石の方が

うまみがあるかもしれません。

水とダイヤモンドの理論です。

需要と供給のバランスですね。

ただ有史以来人類は宝石と共に歩んでいますから

嗜好品であっても急に皆、

宝石をつけなくなるということはないでしょう。

 

需給というと耐久性もデメリットに入ります。

宝石は消費財ではありません。

たいていの場合持っている本人より耐久性があります。

一個あるからもう一生いらないってことも

なきにしもあらず。

そのため輸出入のコントロールが必要であり

場合には買わせるためのプロモーションも必要でしょう。

 

宝石は富裕層の推移をみるうえでは

経済指標ともなり、

国の経済の命運を握っている場合もあります。

現在のニュースを絡めながら

宝石をとりまく世界の状況を

不定期ではありますが

これからブログにてお伝えしていこうと思います。