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週刊ポストが『韓国なんていらない』というタイムリーな特集を組んだが、結局は謝罪に追い込まれた。もっとも、回収などはせず、販売も続けているようだから、編集部は思ったより大きな反響に手ごたえを感じているのかもしれない。

今回の騒ぎで売り上げが増えたら謝罪くらいちょろいものだ。
実際、月刊Ｈａｎａｄａ顔負けの見出しや、いつもより大きめの広告には並々ならぬ意気込みを感じる。

新聞広告の『韓国なんていらない』の文字がかなり大きいが、その辺にもこの特集のライバルの保守系雑誌に負けまいとする気持ちが表れているように思う。

これが、週刊ポストの発行元である小学館と関係のある執筆陣などの批判を受け、謝罪に追い込まれたという。しかし、この程度の見出しなら、月刊Ｈｎａｄａなどの保守系雑誌ならめずらしくもなんともない。『日本し◯』などより、はるかにマイルドだ。

「好き」「嫌い」や「必要」「不必要」が差別だとかヘイトだとか言う方がおかしいのだ。
しかし、案の定というか、お約束通りというか、毎日新聞が社説でピント外れの批判をしたのをはじめ、『日本し◯』を賛美していた連中が吹き上がっている。

あいちトリエンナーレで言論の自由の弾圧だ、表現の自由の侵害だと叫んでいた連中が、今度は弾圧しようとしているのである。この特集記事が、反日メディアやその仲間たちのダブルスタンダードぶりを改めて浮き彫りにした形だ。

ところで、今回の騒ぎで私が特に興味を引かれたのが、週刊ポスト編集部がなぜこの企画に踏み切ったのかということだ。月刊Ｈａｎａｄａの飛鳥新社ならともかく、小学館という大出版社では、社内外からの強い反発があることは覚悟しなければならないからだ。

それでも、この特集を組んだのは、じり貧の発行部数に歯止めをかけようとの意図があったからだと思う。後述するように、発行部数は右肩下がりに減少していて、編集部には「廃刊」の二文字がちらつきだしているのではないか。

日本雑誌協会のデータによると、おそらく最大の発行部数と思われる週刊少年ジャンプは10年前（2009年1－3月）には280万部の部数を誇った。
しかし、今年の同期の部数は170万部を切った。なんと、4割減である。

総合雑誌や週刊誌も同様で、下表のように軒並み発行部数が大幅に減っている。
月刊誌では王者文藝春秋、週刊誌では週刊新潮の退潮が特に目立つ。

印刷証明付き発行部数（日本雑誌協会による）
　　　　　　　(09年1～3月)　　(19年1～3月)　　　　　（増減）
文芸春秋　　　 642,334 　　　　　397,833　　　　　－244,501 （－38.1%）

週刊文春　　　 734,300 　　　　　577,458　　　　　－156,842 （－27.2%）
週刊新潮　　　 676,446 　　　　　390,020 　　　　－286,426 （－42.3%）
週刊ポスト　　　455,417 346,591 －108,826 (－24.0%)
週刊現代 423,017 382,040 －40,997 (－ 9.7%)

週刊現代と週刊ポストは昔からライバルだが、現代が9.7％の減少なのに対しポストは24％減と大きく負けている。10年前は部数で優っていたのに、逆転されたのである。
このライバル争いに興味を感じたので、両者の部数の推移を比較してみた。

週刊現代は週刊ポストが順調に部数を減らしていた時期（たまたま民主党政権時代）に部数を増やしていることが分かる

。ところが、安倍政権になるとまた減少に転じ、昨年くらいからはポストとの差があまりない。

ほとんど読んだことがないので増減の理由は分からないが、編集方針が時代に合っているかどうかで読者を増やしたり減らしていることは間違いない。

その結果、両週刊誌の発行部数は逆転したのである。

もっとも、現代のほうも最近の凋落は激しく、企画次第では再逆転もありそうな状況だ。

そんな時に週刊誌たるもの、ネタの宝庫である韓国を取りあげない手はない。
多くの国民が韓国に呆れ、関係改善について「日本が譲歩するぐらいなら改善を急ぐ必要はない」と答えているのだから、そのニーズに応え、新たな情報を提供するのが週刊誌の役割だ。

かつては現代もポストもサラリーマン向けだったが、いつ頃からか内容を高齢者向け主体に変えてきているようだ。もっとも、政治に関する記事はまだまだ多い。
活字好きの高齢者は政治好きでもあるのだ。

とはいえ、高齢者ばかり相手にしていては先はない。
誰もがスマホを持つようになり、多くの雑誌がネットでも読める時代なのだから、電子出版も踏まえて新たなターゲットを設定し、編集方針を見直すことが必要だ。

そんな出版不況の中で健闘しているのが、月刊Ｈａｎａｄａ、ＷＩＬＬ，正論と言った保守系の雑誌だ。

これらは雑誌協会に入っていないので部数は不明だが、10年前より大幅に部数が増えていることは間違いない。

アベノミクス、中国、韓国、特定野党、どこの国もメディアかと思えるマスコミなど豊富なネタがあるから読み応えのある記事が提供出来る。

しかし、新聞系や大手出版社系の雑誌でこれらを材料にするのは難しい。

ポストはそこに踏み込もうとして激しい反発を招いたとのである。

今後の週刊ポストが新たな読者を開拓できそうな今回の路線を継続するのか、あるいは圧力に負けて引っ込めてしまうのかは分からない。
しかし、このまま圧力に負けてしまえば、廃刊がグンと近づくことになる。

逆に、圧力をかけてくるマスコミや団体、個人に負けず、逆に報道や表現の自由を侵していると反撃できれば、新たな道が開けるかもしれない。
週刊ポストは座して死を待つのではなく、信念をつらぬくべきである。

（以上）

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『韓国なんていらない』騒ぎと週刊誌の未来