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１４日に行われた党主催の公開討論会で石破氏は「１０年で個人所得を３割から５割伸ばす」と述べた。潜在成長率を伸ばすことでそれが可能らしいのだが、例によってどんな政策で潜在成長率を伸ばそうとしているのかは不明だ。

石破氏、個人所得「10年で３割から５割伸ばす」自民総裁選討論会
　20日投開票の自民党総裁選に向けた14日午後の党主催の公開討論会で、立候補した石破茂元幹事長は経済政策について「潜在成長率を伸ばすことで、10年で個人の所得を３割から５割伸ばしていく」と語った。

　「個人の所得を伸ばすために政策を集中させたい」とも話した。

　医療や介護、年金といった社会保障については「できたときと事情がかわっている」として、「病気や要介護にならない社会を作っていくことが大切」とも述べた。
〔日経ＱＵＩＣＫニュース（ＮＱＮ）〕
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL14HHK_U8A910C1000000/

ところが、氏の公約『５つの石破チャレンジ』にはそんな数字はどこにも見当たらない。
具体的な目標値も政策もないことを批判されたことを気にして国民受けしそうな所得増加計画を急遽発表したのだろうか。

それにしても、５割増しとは思い切った数字を出してきたな、と思っていたら昨日の街頭演説では「３割から５割」の５割が消えて３割になっている。

自民総裁選石破氏「10年で所得を３割伸ばす」
2018年9月17日 16時58分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180917/k10011633511000.html

党議員や党員の前で宣言した公約と言ってもいい数字をいつのまにか下方修正しているのである。

では、この数字の実現性はどうだろうか。
石破氏の言う「個人の所得」が年金生活者などを除く働く人たちの所得という意味なら、それは十分可能な数字だと思う。

「個人の所得」とはイコールではないが、企業などに雇用されて働く人たちの合計所得額「総雇用者所得」の最近の推移は次の通りだ。

直近の２年半の平均伸び率が２．５５％だから、この調子が１０年続けばほぼ３割増となる。安倍政権の政策をしっかりと踏襲すれば十分可能な数字なのだ。
つまり、石破氏が口にしたのはアベノミクスの成果の延長線上の数字なのである。

また、私が見る限り「５つの石破チャレンジ」に書かれている具体的な目標値は「訪日外国人旅行者数目標2030年8000万人」だけだが、これも安倍政権の「訪日外国人４０００万人」の延長線上の数字である。

しかも、４０００万人計画は平成２０年度までと期限を切っているのに対し、いつまでに目標を達成するかは書かれていない。
期限を切らない目標値など民間企業なら通用しないだろう。

たしか、石破氏は出馬表明したころはこの数字を口にしていたはずだが、最近まったく言わなくなった。さすがにみっともないと気づいたのだろうか。その代わりにひねり出したのが池田隼人内閣の「所得倍増計画」を思い起こす「所得３割増し計画」なのだ。

少子高齢化のなかで高度成長期のような成長は難しいかもしれないが、みんながデフレマインドから抜け出し、積極的に投資や消費をするようになれば持続的な成長は可能だ。そうなれば、時間は当時よりかなり掛かるにしても、所得倍増は必ず達成できる。

どうせ具体策がないのなら、期限を切らずに「新・所得倍増計画」とでもしておけばよかったのに（笑）

（以上）

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石破流 所得３割増し計画（笑）

石破流　所得３割増し計画（笑）