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批判ばかりで具体策に何をするのか少しも分からないと指摘されているのを気にしたのか、石破候補は茨城県水戸市での第一声でやっと具体策の一部を口にした。
地方創生に関する話の中で出てきた発言だ。

【自民党総裁選】石破茂街頭演説会第一声 / 茨城県水戸市下市ハミングロード
https://www.youtube.com/watch?v=FYGfpzuMx1M

この中で石破氏は「地方に雇用と所得を取り戻す」として次のような政策を示した。
書き起こしは面倒なので、的確なまとめをされているツイートを引用させていただいた。

にわかには信じられなかったので上記の映像で確認したら本当に言っていた。
具体策がないと批判されて慌ててひねりだしたとしか思えないが、もしこれがずっと温めてきた秘策なら救いようがない。まさに「ネタでなくマジだから怖いｗｗｗｗｗ」である。

安倍総理との違いを最も強調していた地方創生でこの程度なのだ。

この日は午前中に自民党本部での立会演説会と日本記者クラブでの討論会があったが、そのどちらでも上記のような具体策（笑）は述べていなかった。

こちらのほうは演説全文がネットでも読める。

自民総裁選立ち会い演説会　２候補の演説全文を掲載　ＮＨＫ
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/8623.html

ここでも、もちろん地方創生の必要性や少子高齢化に対する危機感を訴えている。
しかし、彼の言っていることの多くはこれまでの自民党の公約に書かれ、すでに政策が推進されている。ひと言でいうと周回遅れの提案、それも中身の伴わない願望レベルなのだ。

例えば、数字をいくつも挙げて少子高齢化が急速に進むことに強い懸念を示したうえで次のように述べている。

「この社会をわれわれは何としても乗り切っていかなければなりません。これがわれわれが抱える最大の国難だと、私はそのように思っております」

少子高齢化を国難だと言い出したのは安倍総理のほうで、つまり、これもパクリだ。
しかも、何をどうするのかまったく語っていない。
すでに進めている政策に異を唱えるのであれば、自分ならこうすると明確に示すべきだ。

この問題については、自民党は昨年の総選挙で北朝鮮の脅威と共に「二つの国難」と位置づけている。以前から取組んできたことではあるが、景気回復で人手不足が顕在化してきたことで最優先の課題として浮上させた。

もっとも、様々な政策が進められてきたが、現段階では出生率や出生数に顕著な改善が見えているわけではない。だから批判は簡単だ。しかし、事柄の性質上、効果が出始めて具体的な数字に表れるまでにはかなりの時間が必要だ。

もっとも、これまでの政策実行により顕著な改善が数字に表れている指標もある。

例えば、石破氏は　「女性の方がなぜ働きにくいのか。なぜ社会で活躍できないのか。そこには何か理由があるはずです。」と述べているが、様々な政策の効果で働く女性、特に子育て世代の就業率は大きく伸びた。Ｍ字カーブが大きく改善したのである。

政府は石破氏が指摘したようなことはとっくの昔に分かっていて、それを改善するための方針を決定し、様々な具体策を実行してきた。そして、毎年のように進捗状況を確認し、上手くいっていない施策は見直し、またそれを実行に移してきた。PDCAサイクルを回してきたのである。

石破氏が示している経済政策はアベノミクスの劣化版だし、最も力を入れているという地方創生は上記のようなありさまだ。ケチをつけるばかりで対案がない。

そうなると、安倍総理との違いは憲法改正と防災省の設置くらいしかない。

憲法改正では、安倍総理が『２項はそのままに自衛隊を明記する９条改正など「改憲４項目」を次の臨時国会に提出する』ことも意識しているのに対し、石破氏は「合区の解消」「緊急事態条項」を優先し、９条は当面先送りの姿勢だ。

もっとも、「やるべきは憲法改正ではなく、経済成長」の発言もあり、本音は「実質護憲」だともとれる。
だから、総裁選の候補者が特定野党からエールを送られるという前代未聞の珍事が起きる。

また、防災省設置を設置し、専任の大臣・スタッフ、専門の官庁を置くとの主張に対して安倍総理は次のように反論している。

「防災省を作っても、自衛隊や海上保安庁、厚生労働省を動かすには総理大臣が指示しなければならない。そこをどう考えるかだ」

「スピーディに政府を糾合できるのは首相だけだ」

これに尽きる。

防衛、防災など、国民の命と財産を守ることは政府の最優先事項だ。

一刻を争う事態にこそトップダウンで対応する必要がある。
こんなことすら知らないのかと、安倍総理も呆れたのではないか。

石破氏は倍総理がロシアでの国際会議に出席し、プーチン大統領との首脳会談など重要な日程をこなしている最中の１１日、関西地方を遊説したが、今度は「自民党を取り戻す」と言いだした。

【自民党総裁選】
「自民党を取り戻す」石破茂元幹事長が神戸で街頭演説
　自民党総裁選に立候補している石破茂元幹事長は１１日午前、神戸市で街頭演説し「日本をどうするのか、広く国民に話を聞いてもらいたい」として持論の防災省新設構想などを訴えた。一騎打ちとなった安倍晋三首相（総裁）のロシア訪問によって論戦が中断する中、党員・党友による地方票を掘り起こそうと地方遊説を重ねる。

　自民党の現状に関し「みんな物を言わなくなった。首相に叱られる、出世しなくなると考えるのは間違いだ」と憂慮。「全ての国民のための自民党を取り戻す」と強調した。

　１１日は神戸市、大阪市などで演説。１２日には富山県、１３日には福岡、長崎両県を訪問する。

　安倍氏はロシアでの国際会議に出席するため、１０日から極東ウラジオストクを訪問している。帰国は１３日で、論戦再開は１４日となる見込みだ。
https://www.sankei.com/politics/news/180911/plt1809110009-n1.html

「みんな」って一体誰なのか。誰が首相に叱られたのか。
正々堂々とはほど遠い根拠なき批判である。

それに、『自民党を取り戻す』は2012年総選挙の安倍自民党のスローガン「日本を取り戻す」のパクリではないか。
対案どころか何もかもが劣化コピーなのである。

国民の手に自民党を取り戻す最も有効な手は、彼が後ろから鉄砲を撃つのが得意な仲間を引き連れて自民党を出ていくことだと思う。

（以上）

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石破地方創生の具体策はこれだ！（笑）