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昨夜は「もし目が覚めたらテレビを見る」つもりで床に就いたが、目が覚めた時には４時を過ぎていた。正直、勝てる気がしなかったし、いくら閑人でもその時間まで起きているのはつらい。もし、大量点でリードされていたらそのまま寝るつもりだった。

経過を見ようとスマホを見たが、寝ぼけまなこでは字がかすれてよく見えない。最初は６－２に見えたが、目をこすってよく見ると何と日本が２－０とリードしているではないか。
リードされているどころかまったく逆、完全に想定外である。

相手は優勝候補のベルギーだし、予選でも破壊力を見せつけてたから、ディフェンスが崩壊したらどうなることかと一抹の不安を感じていた。
０が６に見えたのは年寄りの寝ぼけまなこのせいだけでもないのである。

我が日本が２点もリードしているのなら歴史的な瞬間を見られる可能性が高い。
しかし、後の時間帯は厳しい守備を強いられる可能性が高い。攻めるしかないベルギーが必死に攻めてくるのを耐えるのを見るのはつらいとも思う。

しばらく迷ったが、結局、身勝手なにわかサポーターは寝ている家族を起こさないようにそっと１階に降り、テレビをつけた。

見始めたころは、ベルギーをここまで０点に抑えていることが納得できる守備ぶりだった。寄せが早く、複数の人数で取り囲むことで自由に攻撃させない。
ところが、時間が進むにつれて相手との距離が開きだし、危ない場面が増え始める。

しかし、我がサムライブルーは必死にディフェンスをしながらも、追加点を狙い続けているように見えた。ベンチも選手もディフェンス重視にシフトチェンジすることなく、むしろ３点目を狙いにいっているように見えたのである。

ところが、やや不運な形の初失点を境に風向きが変わり、ベルギーの怒涛のような攻撃にさらされはじめる。それでも、日本は守備固めに入ることなく攻めの姿勢を持ち続けた。実際、”あわや”という場面も作って強豪と正面から戦い続けたのである。

そして、その姿勢は同点にされた後も続き、最後の最後に決勝点を奪われる時まで保たれた。
その象徴的な場面が、相手に決勝点を許すことにつながったコーナーキックだ。

もう少しで延長戦に入る時間帯のこの場面で、本田選手はボールキープで時間を稼げるショートコーナーではなく、得点を狙ってゴール前にボールを上げた。
結果的にその選択は裏目に出たが、彼らはこの場面でも攻撃的であることを選んだ。

世界最強のカウンター攻撃を受けるリスクを冒してでも３点目を狙ったのである。

２点先行することは見ている方が意外に思ったくらいだから、日本チームもあまり想定していなかったのではないか。だから、悔いのないように最後まで得点にこだわってプレーを続けた。３点目を先に取り、正々堂々と勝とうとしたのである。

おそらく、この選択はポーランド戦終盤でのボール回しと関係があるのだろう。
あの時、決勝トーナメントに残るために苦渋の選択をしたのは、今度こそサムライブルーらしく戦うためだった。そして、彼らはそれを実現した。

サッカーに詳しい人に言わせれば、多くの反省点があるらしい。
個々のプレーや大会前からのごたごたなど、今後に活かすべきことは多々ありそうだ。
しかし、試合後、長友選手は次のようにツイートしている。

彼らは現在の日本が持つ力を余すところなく発揮し、多くの感動を与えてくれた。
いまは日本らしく戦った選手や監督、スタッフに賛辞を贈りたいと思う。

（以上）

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にわかサポーターの観戦記