「え・・・」

俺は状況が飲み込めず、
ただ呆然と立ち尽くしていた。

部屋にペンダント。
窓が開いている。
ココから入ったのか・・・?
でもどうやって・・・。

ピカッ
ペンダントがまた光る

「何やってんのよ。速くこっちに来なさいよ」

どうやら話すときに光るらしい。
とりあえず言われた通りにしておこう。
どうやって部屋に侵入して来たかもわからないペンダンドだ
逆らったら今にでも消されてしまうかもしれない。
スタスタと部屋の中に入り
ペンダントの前で座る。
少し気まずい間が空いた。

「あの・・・どういったご用件でうちに・・・?」

沈黙に耐え切れずに質問をする。
・・・シーン。
ペンダントが反応しない。
あれ?声が出せなくなった?もしや最新の無線機で
充電が切れたとか?
最悪、聞こえなかったのかもしれない。
もう一度声をかけてみるか。

「あのー・・・」

「はぁ、あんたねぇ・・・」

静かにペンダントが声を出した。

「ご用件はーじゃないわよ、
 まずあたしに言うことは?」

この禍々しいオーラ・・・起ってる?
いやいや、俺は何も悪くない。
むしろ悪いのはペンダントを落としていったあいつだ。

「えっと、僕はただスーパーに行って買い物して
 帰ってきただけですが、何かありましたか?」

しらばっくれてみた。
間違ってはいないはずだ。
また少しの間を置いて
今度はペンダントの光が小さく光る。

「もういいわ、こんなとこ居られない」

そういってペンダントは弱々しく浮いた。
あぁ、こうやってここまで来たのか。
などと感心してしまっていた。

だがこれ以上巻き込まれるのはごめんだ。
早くお引取り願おう。

「あぁ、しゃべるペンダントなんてヤバそうだからな。
 早く帰ってくれないか・・・」

「言われなくても」

ペンダントがふらふらと窓のほうに行く。
そして、窓から出た後、瞬きをした瞬間に視界から消えた。
瞬間移動か!?

ガサッ

ん?木にぶつかる音?
恐る恐る窓の外を見てみると、木にペンダントが引っかかっていた。
どういうことだ?飛べるんじゃないのか?
さっき置いて行ったことを多少気にしていたので、
一応、様子だけ見に行くことにした。

この木かな?
家の隣に生えてる木を眺める。

あ、あった。

木自体はそんなに高くも無いので、
165cmの俺でも届く。
背伸びをしてペンダントを掴み、ポケットにしまう。
とりあえず部屋に戻ろるとしよう。

「あたし、フィーネのところに戻る」

ポケットからのそのそと出てこようとするが、
ほとんど浮けていない。
そういえば話の途中から光自体が弱かったな。
感情の起伏で光の強弱があるのかとは思ったが・・・
うーん・・・どうしようか・・・
またスーパーに行けばあのローブに会えるか?
とにかくこれをなんとかしなきゃな。

「しょうがないな、さっきのところでいいか?」

あまりにも弱々しい光に同情してしまい
ペンダントとあのスーパーの前に行くことにした。

アレから一切光らない
死んでしまったのか?

少し先を急ごう。
走りながらスーパーに向かう。

はぁ・・・はぁ・・・着いた。

ローブローブ・・・
きょろきょろと周囲を見渡す。
さすがに居ないよな。
けどこのままにしておくのもな・・・
しばらく待つか。

ケータイをいじりながら待つこと一時間。
1ランクアップした。やったぜ。

「あ!さっきの人!!!」

お?ローブ!
向こうから声かけてくれるとはありがたい
待ってたぜ!

「聞いてくれ!あんた、ペンダントを―」
「あの!これくらいのペンダント見ませんでしたか!?
 この辺に落としたかも知れなくて」

話をきいてくれ・・・
まぁいい、ポケットからペンダントを出す。
ローブがペンダントをみて嬉しそうに笑う。

「あ!これです。ありがとうございます!!」
 うーん・・・そうだ!、こちらへ来てもらえますか?」

腕をつかまれ、そのまま人目のつかない路地裏に連行された。
何が起るんだ?
もしや突然オニーサン達が出てきて
リンチなんてことは・・・
なんてことを考えていると
ローブがペンダントに息を吹きかけた。
するとペンダントの中に息と共に周りの空気が吸い込まれる。

「あー生き返ったー!
 会いたかったよフィーネーーー」

ピカピカ光る。
電池切れだったようだ。

にしても今のはなんだ・・・?
魔法か・・・?
そんなSFこの世にあるのか

「なんだあんた、まだ居たのか」

元気になったペンダントが
こちらに向かって話しかけてくる。
そしたらローブが怒った。

「ちょっとミィちゃん!拾ってくれた方に
 そんな言い方しちゃだめでしょ?」

ミィちゃん?こいつ見かけによらずかわいい名前してんな
ペンダントだけど。

「だってこいつーあたしの事置いて逃げたのよ!
 その後も、せっかく家まで行ってあげたってのに
 すーぐ追い出そうとして外に投げたのよ・・・グスン」

お嬢さん嘘が混じっていませんか?
まぁいい、大体は合ってるしな。
誤解されようがかまわん。

「置いていってすまなかったな。でも何故うちに?
 そもそも何故光る、そしてしゃべるんだ?
 フィーネさんだっけか?さっきのは魔法か何かか?」

二度会ったんだ。気になったことを全て聞いてしまおう。
そうするとフィーネが少し悩んだ顔をした。
言いたくない事なのか・・・?

「すまない、言いたくないならそれでもいいんだ」

諦めようとしたその時、フィーネが何か思いついたようにこう言った。

「そうだ!“こっち”に来ませんか???」

「「えっ」」

ペンダントとハモった。
こっちとはどっちだ。ミィちゃん(笑)もびっくりしてるじゃないか。
俺もペンダントになるとか?
それは御免だ。


「いや、遠慮しと―」
「決定ですね!!では行きましょう!!」
「ちょっと待ってーーー!」

腕を掴まれ、フィーネが呪文を唱える。

「開けゴマー!!」

待てそれは呪文じゃ―。
目の前に扉が出現し、フィーネ、ミィ、そして俺が吸い込まれていく。

ガタンッ

扉はしまり、俺達はさっき居た空気の汚いところとはまったく違った
異質なところに着いたようだ。なんというか、城下町・・・?
風が気持ちいいし、すごくさわやかな雰囲気だ。
やっぱり今のは魔法か・・・
というか何故俺はこんなところにいるんだ!
軽くパニックだ

「ただいまー!」
「「「おかえりなさいませ!フィーネ様!ミィ様!」」」

フィーネが町中に聞こえるようら大声をあげた。
町の人達もみんなニコニコしながら応える。
と、皆こちらを見ているようだ。
こんなに人に注目されるのは幼稚園のお遊戯会以来だな・・・

「あのー・・・こちらは何方ですか・・・?」

町の役人らしき人物が俺を見ながらフィーネに尋ねてくる。
フィーネは誇らしそうに言った

「地球人!!!」

ざわざわ・・・

地球人?ここは地球ではないのか?
確かに魔法で移動したらしいからな。
異世界に繋がっていてもおかしくはないか。

「ミィちゃん、状況を説明してくれないか?」

ミィちゃんに助けを求めようとしたが、フィーネの手にペンダントがない。
何処に行ったミィ様・・・お助けを・・・

「おやおやお困りですかー?このミィ様に何か御用でしょうかー?」

この声はミィちゃんだ。
すごく煽られてる気がするが今はこのアウェイのほうが辛い。
早く状況をしりたい。
というかミィちゃん何処から話してるんだ。
ミィちゃんを探してキョロキョロしていると、

メイド服姿にペンダント
長髪で耳が長くとがった女の人が俺の隣にいた。

「いつまで分からないつもりですかー?」

メイド服がイラッとする言い方で話しかけてくる。
このペンダントをつけているということは・・・

「ミィちゃんって人間だったのか!!!」