突然、猫親 | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

日光のイベントを紹介するホームページ「日光を漂ふ」のトップページにかわいい猫がいる。
いいなあ、かわいいなあ、猫ほしいなあ、などとぼんやり考えていた。
さてライブが終わると、画家にもどる。
ふつう仕事が終われば休暇だが、3つの職業をもつオレはまた仕事である。
Puzzleシリーズの2作目を描いていると、なにやら動いた。
ん、働きすぎて幻覚でも見てるのか?
黒いかたまりがもぞもぞしてる。
シャーーーー!
ひえっ、今度は幻聴か?
キャンバスの隙間から目が光る。
猫だあーーーー!
しかも生まれたての赤ちゃん猫が3匹もいるじゃん。
マジかよ。
080626猫親子

なんでこんなありえないことばっか、オレに起こるんだろう。
ここ1週間ほどライブで絵をかけなかったのでアトリエにはいらなかった。たぶんここは安全だと思って抜けた床からはいりこんできて産んだんだな。
キャンバスをひっかかれるのはいいけど、絵の具をなめて死んだらかわいそうだな。せっせと絵の具をかたずけ、筆洗いオイルにふたをする。
そうだ、キャットフードが残ってたはずだ。と、立ち上がりかけて考えた。
ここで餌付けしてしまうと、オレがツアーでいないとき飢え死にしてしまうだろう。おまけにこの家はもうすぐ立ち退きだ。必死でエサをやるのを思いとどまった。
とりあえず、風邪を引かないよう赤ちゃんにタオルをかけてやる。
どうしよう、どうしよう、母猫がいなくなったらオレが育てないと。
ねんねこばんてんを着て、3匹の猫をおぶってライブをしなくちゃ。
江戸屋猫九(猫八の弟子)という芸名で「だいじょうぶマイキャット」とか、「愛を知らない子猫たち」とか、「ニャンティー」とか、「Dancing 猫又」とか、「招福の歌」(招き猫の振り付け)とか歌わねばならない。
ああー猫のいる暮らしっていいのよねえ。
飼いたいけど年の半分は家にいないしなあ、
里親を見つけなくちゃだめかなあ、
誰かといっしょに住まないと飼えないなあ、
猫のために結婚でもするか?