ジャニーさんが死んだから書くわけじゃないけど、昔滝沢秀明が好きで彼が主演したテレビドラマ「アンティーク~西洋骨董洋菓子店~」をワクワクして見てました。

 

 

その原作が漫画作品だと知り購入して読んだのがよしながふみさんを認知した最初です。

 

 

漫画ではエイジが主人公ではなく予想と違って結構ホモホモしい事に面喰らったものです。

 

 

 

冒頭から衝撃過ぎて震えました。

 

 

 
 
いきなりストレートな恋の告白。
 
 
 
真面目そうな彼は、君が普通の奴だって事はわかってたんだけど卒業する前にどうしても気持ちだけ伝えたかったんだと言います。
 
 
「それだけでもう気は済んだから、もう君に会う事もないし、これ以上気持ち悪い思いもさせないから」
 
 
 
懸命に、でも一方的に、自分の思いだけ告げて立ち去ろうとすると・・・
 
 
 
 
 
えっ?
 
 
「俺の事ホントは抱きたいんだろ?」
 
「オナニーする時俺の事考えてしてくれたんだろ?」
 
 
えっ?ええっ?
 
 
 
それでこの彼は「気持ち悪くないの?」って聞いてみるわけです。
 
 
 
 
 
ひでー!!
 
 
 
これが洋菓子店「アンティーク」のオーナー橘圭一郎と「アンティーク」のシェフ・パティシエ小野裕介の14年前の出来事なんです。
 
 
 
 
よしながふみにハマったね。
 
よしながさんは同人活動もしてたからコミケに行くと買ったね。
 
 
久し振りに思い出したので「アンティーク」の薄い本を探してみたけど部屋が汚いので全然見つからなかった。
 
 
整理整頓とかしない(してもすぐぐちゃぐちゃになる)から必要なモノがいつも行方不明でとても都合が悪いんである。
 
 
 
有名作品も多数あるなかでこの「西洋骨董洋菓子店」は好きですねー。
 
 
「きのう何食べた?」もそうですけど食いしん坊?食通?なのかな。お料理がいつも美味しそうですよね。
 
 
これはケーキがすごく美味しそうで読んでると食べたくなって困るのよ。
 
 
 
 
「西洋骨董洋菓子店」は男4人で営業するちょっと変わった洋菓子店「アンティーク」を舞台にして、彼らと店にやって来る客の人間模様が描かれてるんですが、あらすじというより人物紹介を。
 
 
 
 
 
「アンティーク」は閑静な住宅地の中に忽然とある12時から深夜2時半まで営業している洋菓子店です。
 
 
元々は閉店した骨董店を橘圭一郎が買い取って改装した店で、アンティークな室内や調度品が売りです。
 
 
橘は33歳で、とある財閥の御曹司であり一流商社に勤務するトップ営業マンでした。
 
 
ところが突如会社を辞めてケーキ屋を始めると言い出したわけです。
 
 
親もあらそうなの~って感じで息子の為に最高のケーキ職人を招いてくれるんですが、それが件の小野裕介だったのです。
 
 
なんか金持ちのする事はわからん。
 
そしてなぜケーキ屋だったのか?
 
それには理由があったのだ。
 
 
 
 
 
さてその小野ですが、かつて橘にこっぴどく振られた傷を経て今では、狙った男は必ず落ちる!ノンケさえも夢中にさせる!「魔性のゲイ」(笑)として開花していました。
 
 
なんつーか、気の弱そうなメガネなんだけど、小野がいた店では自分が誘ったわけじゃないのに惚れられるは小野が原因で修羅場になるはで店にいられなくなり職場を転々としてたんですよね。
 
 
でもパティシエとしては卓抜した技量を持つまさに天才なんです。
 
 
小野はあれだけひどい言われ様で、死ねっつわれたのに、橘の下で働くのを嫌がりませんでした。
 
 
「あんな風に言われなかったら今こんな風に自由に生きてる僕もいなかっただろうし本当にもういいんだ」
 
って笑ったんです。
 
 
二人はいい店にしようと握手します。
 
 
あの出来事を気してたのは自分だけだったのかと橘は思います。
 
 
 
 
 
橘が表に張った男性販売員募集の貼り紙を見て「アンティーク」に元世界チャンピオンのボクサー神田エイジがやって来ます。
 
 
エイジは現役時代その容姿の良さで「リングの上のジャニーズ」と呼ばれたほどの21歳の可愛い子ですが「小野の好みのタイプじゃない」と言う事で採用になります。
 
 
本当は女性が良かったのに小野が重度の女性恐怖症なので男性を募集した所、皆小野と出来てしまったというんです。
 
 
「魔性のゲイ」伝説は伊達じゃなかったのよ。
 
 
元ヤンでもあるエイジははっきりした子ですから「なんかいかがわしそーな職場だからやだ」と帰ろうとしますが、小野がケーキの試食を頼みます。
 
 
 
 
 
 
網膜剥離で引退したけど現役時代からエイジはケーキが大好物でした。
 
 
その食べっぷりの良さと感性を認めた小野はエイジを見習いパティシエとして指導する事にします。
 
雇ったのは橘だけどね。
 
エイジは小野を「先生」と呼び尊崇するのですが、なぜかオーナーの橘には塩対応で「オヤジ」とか「ジジイ」とか呼ぶのです。
 
 
 
橘は販売員を雇って自分は楽をしたかったんだけど、接客なら成績トップの営業マンだった自分がやった方がいいって気付くのね。
 
 
超辛党でケーキは砂糖の味がするとしか言えなかったのに小野について特訓して、立て板に水のようにケーキの説明とか出来るようになっちゃうの。
 
器用で何でもすぐ出来ちゃう人なのよ。
 
フランス語もペラペラだし。
 
 
 
 
でも実は橘は9歳の時誘拐され、誘拐犯から毎日ケーキばかり食べさせられたのがトラウマとなって甘い物が苦手になってしまったんです。
 
 
犯人は一度も身代金を要求してきませんでした。
 
 
もしかしたら自分は犯人にいたずらされたんじゃないのか?
 
 
だからその時の記憶が全くないんじゃないのか?
 
 
そんな事をずっとずっと考えて生きてきて表面的な人間関係しか築けなくなってしまった人なんです。
 
 
 
 
さてさて、そんな訳ありな男たちが集まった「アンティーク」ですが、何でも出来ちゃう橘とは対照的に何にも出来ない男が小早川千影です。
 
 
サングラスで長身で見た目と性格だけはいいんだけどホントに無能なんです。
 
 
千影は橘の家で母親が住み込みで働いていたので、二人は幼なじみでもあり橘の事は「若」と呼んでいます。
 
 
いやホントに面白いほど無能なんだけど、最初に会った時から小野がべた惚れしちゃうの。
 
 
ヤバイ!もろに好みのタイプだ!つって。
 
 
でも鈍感だから意味がよくわかってないのよ。
 
 
そして降りしきる雨の中で小野が見せた魔性がこれです。
 
 
 
 
 
千影が見つめる中
 
雨に濡れたポージングからの~
 
 
 
 
二人でクルクル回っちゃう。
 
 
30男が二人して雨の中クルクル回っちゃう。
 
 
 
もうね~これを見て笑うかドン引くかどっちかだよね。
 
謎だわー小野さん。
 
 
だけど子供みたいに純真な心を持つ千影はこれで小野を好きになっちゃうんです。
 
 
ある時、小野の彼氏が「浮気してるだろう!」と店に乗り込んで来て小野は咄嗟に「彼とは何もない」って言うんです。
 
 
セックスもキスもしてないしただ一緒に飲んだ事があるだけだって。
 
 確かにそうなんだけども。
 
 
 
 
 
それを聞いた千影は泣く。
 
 
 
千影は小野と話したし、雨の中二人でクルクル回ったし、何にもなくはなかったって思ってるから泣いちゃうんです。
 
 
 
 
フランスから小野の師匠の元カレがよりを戻そうとやって来て、小野がDVを受けた時も千影は泣きました。
 
 
小野は心配する千影に
 
「これくらい平気平気。この程度の事なら今までも何度もあったから。悪いのは大体僕の方だし、さすがに5人いっぺんに相手にしちゃった時は病気が怖いんで病院行ったけど」
 
と、事も無げに話すのです。
 
 
 
 
 
 
ほんとにねー。
 
 
片や天才パティシエで片や一人じゃ何もできない男だけど、人としては千影のが上だよね。
 
 
千影の純な心に接した小野はこう思うんです。
 
 
 
僕も昔はよく泣いたっけ。
 
橘に振られた時も。
 
いい男子生徒がおいおい泣いて電車の中の人を恐怖のどん底に突き落として。
 
すごく好きだったんだ。
 
 
 

 

時の流れの中で人は変わっていくものですよね。

 

 

あの時橘に振られて泣いた小野にそれからどんな事があったのか知るよしもないけど、まるで箍が外れてしまったか壊れかけてるみたいです。

 

 

小野はいつも優しく穏やかだけれど、どこか投げやりで自分を大事にしません。

 

 

 

 

 

漫画でも映画でもゲイを描いた感動作とか見ると、愛し合うって事は同性愛だって異性愛と何も変わらないよね、なんて感想を持つ事があるんですが果たしてそうなんでしょうか。

 

 

よしながふみの漫画を読むと、わかったような気になってる自分がなんか違う気がしてきます。