にがくてあまい
 
(全12巻+番外編)
 
小林ユミヲ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
江田マキ(28)は大手広告代理店の企画営業部に勤務するキャリアウーマンです。
 
 
 
 
 
 
 
仕事が出来るだけでなく美人で後輩の面倒見もよい彼女は社内の憧れの的です。
 
 
しかし仕事が多忙すぎるうえに掃除も料理もまるで苦手な彼女の私生活は、ゴミ屋敷に暮らし男性にはフラれっぱなしでした笑い泣き
 
(家が汚なすぎて男を入れられない・・・)
 
 
 
 
 
 
ひょんな事からマキは高校教師の片山渚(30)と知り合います。
 
 
 
 
 
 
はイケメンで料理上手な菜食主義者で同性愛者なのです。
 
 
ゲイでベジタリアンてどんだけマイノリティなの⁉️
 
 
好みがうるさく毒舌な彼は偏食がひどく野菜が嫌いなマキに「おまえの肌が汚いのは野菜を食べないからだ」などとズケズケ言ったりします。
 
 
 
 
 
 
そんな、女をぞんざいに扱う態度になぜが居心地の良さを感じ(あと料理の上手いところね)がゲイである事を学校にバラすと脅し同居にこぎつけるのです。
 
 
なんつー女だ。
 
 
 
 
口は悪いけど弁当(全部野菜)まで持たせてくれるの、お弁当箱がカラになってかえってきた時のうれしそうな顔を見て、マキは母親の事を思い出します。
 
 
マキの実家は今では超人気の有機野菜農家なのですが、突然脱サラして農家を始めた父親の為に転校を余儀なくされたり家族が苦労した事で父親との間に確執が生じていたのです。
 
 
 
 
 
頑張っていたプロジェクトから突然外され所詮は自分は会社の駒なのだと悩むマキは父親に会いに行く事を提案し一緒についてきてくれます。
 
 
 
 
 
ところが本当の目的はマキの実家で作られる有機野菜だったり、スキンヘッドのマキの父親にが一目惚れしたり。
 
 
 
 
 
 
 
ドタバタの展開になりながらもマキは父親と和解する事ができたのです。
 
 
 
 
 
 
一方、マキにはまったく興味のないは常に好みの男を物色し、後輩教師の馬場園(通称ばばっち)にチョッカイを出したりしてます。
 
 
 
 
 
 
 
 
しかしにも喧嘩したまま死んでしまった兄への悔恨や、兄が亡くなった事で絶縁状態となった母親が今は認知症となり施設にいるのでした。
 
 
 
マキの為に母親の思い出の味であるマーマレード用の夏蜜柑を今は他人が住んでいるの元実家からかっぱらってきます爆笑
 
 
 
 
 
 
それを食べた事で正気に戻った母親から感謝の言葉を言われの長い間の心のわだかまりは解消されたのでした。
 
 
 
 
 
 
 
普段は噛み合わないような二人ですが、仕事の悩みや家族の問題を互いに関わり解決していくうちにその距離は少しずつ縮まっていきます。
 
 
 
 
そんなある日、熱で寝込んだにお粥でも作って株を上げようと会社を早退したマキの目にとんでもない光景が・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『にがくてあまい』は2009年から2016年までウェブコミ誌で連載されていたラブコメです。
 
 
2016年には実写映画化されていて『おっさんずラブ』の林遣都さんがご出演されてました。
これまたゲイの役ですわてへぺろ
 
 
 
 
まああんまり、私はこういう絵は好きじゃないのですがマキの丁々発止の言い合いが自然で遠慮がなくて面白いので最後まで読んでしまいました。
 
 
 
 
 
 
 
最近は弁当男子だっけ?
料理する若い男性が増えてるっていいますよね。
 
 
菜食主義の分類は細かくて詳しくは知りませぬが
ダシも動物性のものは駄目なんでしょうか。
 
 
 
 
 
 
昆布と干し椎茸で丁寧にダシをとった『野菜と雑穀のスープ』とか、肉の代わりに『油揚げをきざんで入れたギョーザ』とかとても美味しそうです。
 
やっぱ料理は一手間が大事なんだね。
 
 
 
毎回の作る野菜料理にマキが舌鼓をうつという趣向です。
 
 
 
 
 
 
 
この手の料理漫画多いねチュー
 
 
 
 
 
しかし登場人物それぞれの過去の人間関係がけっこう複雑でわかりにくいんですけど・・・
 
 
その割に、二人が同居する動機とかはなんかテキトーな印象です。
 
 
 
また二人は結局恋愛へと発展していくのか(ゲイ設定はどうなるのか)という一番気になる点についても曖昧なままで物語がどんどん進行していきます。
 
 
 
しかしマキはおおらかというか大人の女性なんだね。
 
 
 
に対して自分の気持ちを押し付けるような事はしないしの性癖も含めて理解した上で相手を好きでいるんですよね。
 
 
 
若い頃は男でも女でも容姿にとらわれて相手の本質を見てないですよね。
 
 
でも年齢とともに、恋愛よりもその人が信頼に足る人かどうかとか人間性を見るようになったりしますよね。
 
 
 
この漫画は家族をテーマにしています。
 
 
仕事をバリバリこなすキャリアウーマンや、マイノリティーであるゲイなど家族という枠組みからは遠い所にいそうな人たちにだって当然親や兄弟がいます。
 
 
他人からは幸せそうに見えても家族の悩みを抱えている人は少なくない。
 
 
家族の問題は人には話しづらいからね。
 
 
 
 
 
 
 
仕事に生きるマキのような女性にとって美形で料理上手でゲイでなんでも話せるは理想的なパートナーシップなんだろう。
 
けど反面ゲイであるからするとどうなんだろう?と思ったのですが読んでるうちにそれは違うなと気づきました。
 
 
 
二人はお互いになんでも言い合える対等な関係にあるんです。
 
 
男と女が対等というのは素晴らしいけど難しい事でもあると思います。
 
 
男女間ではパワーバランスが働きますから。
 
 
そして女はどうしても一緒になる事やずっと愛される事を期待しがちです。
 
 
 
けれど一緒にいてもいなくても繋がりや絆を持っている二人に、それぞれの人生を生きる真に自立したパートナーシップを見た気がしたのは私だけでしょうか?