ディアスポリス 異邦警察について | 北条明の世界

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ディアスポリス 異邦警察

「ディアスポリス 異邦警察」は、2016年に放映された、毎日放送制作のテレビドラマである。

 

以前、「ドラマ24について」でも書いたが、自分は、ゴールデンタイムのドラマよりも、猥雑な感じのする深夜ドラマの方が好きである。

ゴールデンタイムのドラマにも、そういうのがあるかもしれないし、深夜ドラマでも、健全なものはあるので、あくまで、個人的な感じ方に過ぎないけど。

ちょっと天邪鬼に、人があまり見ないものを見たいというところもあるかもしれない。

 

今は、番組表をリモコンで呼び出せるという、以前は考えられなかった時代なので、新しく始まるドラマの内容をあらかじめ見て、興味をそそられるものを録画して見ている。

もっとも、朝日新聞の週間番組表は、一覧性があって、今でも重宝している。

 

「ディアスポリス 異邦警察」も、そんな感じで、とりあえず、第1話を録画して見てみた。

コミックが原作だそうだが、読んだこともないし、存在すら知らなかった。

 

第1話を見て、冒頭の、松田翔太氏演じる久保塚早紀が、警察官やりとりする際に、「ちょっと振り向いてみただけの異邦人」、「あなたにとって私、ただの通りすがり」と言ったうえで、「久保塚早紀」と名乗るシーン、これだけで、完全につかまれてしまった。

 

そして、不法滞在者という、普段の自分が知らない世界、それを見てみたいという感覚、それで見続けた。

 

主人公の久保塚早紀は、只野仁みたいに強くない。

ただ、不法滞在者への暖かいまなざしと強い精神力を持っている。

「影の警察」で、監禁された時に、自白剤を使われても、吐かなかった。

鈴木には、ちょっと冷たいと感じるが、魅力的な主人公である。

 

鈴木は、訳ありで、異邦警察の刑事になったのだが、憎めないキャラで、いい味を出している。

演じる浜野謙太氏は、「ムジカ・ピッコリーノ」や「仮面ライダードライブ」でも、特徴あるキャラを演じている。

 

そして、何と言っても、登場人物で印象的なのが、柳沢慎吾氏演じる阿である。

故郷で、警察官を殺したという過去を持ち、いろいろな面でせこく、一見嫌な奴だが、最終回で、久保塚を助けに行くという、魅力ある人物である。

柳沢氏は、本当に個性が強いのを感じる。

 

他には、イサームは、本当に強くてかっこよかった。

 

主題歌は、「月」という曲なんだけど、これが、すごくこのドラマにあった曲であった。

 

最終回の最後に、第1話で出てきた警察官が、また出てくる。

それが、ドラマが閉じる感じがして、とてもよかった。

 

現実の不法滞在者の実態について、自分は知らない。

そして、それに対して、何もしていない。

「ディアスポリス 異邦警察」は、そんなことを感じさせるとともに、自分の知らなかった世界を見せてくれた印象的なドラマであった。