透明ドリちゃんについて | 北条明の世界

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透明ドリちゃん

「透明ドリちゃん」は、昭和53年に放映された東映制作の特撮ファンタジー作品である。
東映チャンネルは、少し前から、新しく放映を開始する作品の第1・2話を無料放送しているが、それで見た。

透明になれるドリームボールと妖精を呼び出すフェアリーベルを使って、実は妖精の国フェアリー国の王女だった小学5年生、青山みどり(ドリちゃん)が、いろいろな事件を解決していく、日本初の実写「魔法少女」ものである。
個人的には、「コメットさん」の少女版という感じがする。

「透明ドリちゃん」は、放映当時も、なぜか存在は知っていた。
ただ、ほとんど見ていないと思う。
なので、何も記憶がない。
主題歌は、何年か前に、図書館で特撮のオムニバスCDを借りて、カセットに録音していたので、今はよく知っているが、その当時に聴いた記憶はない。

主人公のみどりを柿崎澄子さんが演じている。
そのことは、昭和58年発売の宇宙船別冊「スーパーギャルズ・コレクション」には載っているが、それ以前から知っていたような気がする。
昭和59年頃、「宇宙刑事シャリバン」の再放送を見ていたが、みゆきというイガ星の末裔の少女を演じていたのが印象深い。
派手でない顔立ちがとても魅力的である。

彼女は、自分より一歳年上なので、「透明ドリちゃん」当時は、中学1年生になる。
実年齢よりも2歳若い役を演じていたことになる。
今回見ても、やっぱり魅力あると思う。
出演歴をウィキペディアで見ると、「世界忍者戦ジライヤ」にも出ているが、記憶に残っていない。
「太陽にほえろ!」の印象に残っている作品「秘密」で、原田律子の少女時代を演じていたというのも知らなかった。

二話しか見ていないので何とも言えないが、ストーリーがとてもよかった。
第1話は、設定の説明と父親との葛藤、第2話は、気弱な少年の無実を証明するみどりの姿を描いている。
父親役の佐藤允氏が好演である。
どちらも脚本は、上原正三氏である。

特に、第2話は、無実の罪で悩むユウイチと彼の力になるみどりの優しさに感情移入してしまった。
すごくいい話だと思う。

ユウイチは、「オーレンジャー」のオーグリーン役の正岡邦夫氏に似ている雰囲気を感じたが、名前も違うし、別人みたい。
劇中、後ろの電柱に、「西三田」という文字が映っていた。
今、自分が住んでいるのは、川崎市の生田なのだが、子どもが通っていた幼稚園が西三田幼稚園である。
現在、OKストアがある、西三田団地の通りと思われる場所も映っていた。
東映生田スタジオで作られていた(最後の作品らしい)ので、その辺りでロケをしていてもおかしくはないが、40年近くなって、それを見るというのも不思議な感じがした。

見ていた時は気づかなかったが、劇中、みどりとユウイチがブランコに乗っている公園は、gooブログのコロンボさんの「コロンボの特捜最前線日記」によれば、生田北大作公園だそうだが、ここも、子どもと行ったことがある。
柿崎澄子さんが、あの公園にいたんだと思うと、ちょっと感慨深いものがある。
ウルトラシリーズや「怪奇大作戦」を見ていても、小学生の頃、住んでいた場所がよく出てくる。
しかも、それは、自分が住んでいた時代だったり、近い時代なので、とても懐かしいものがある。

特撮ものなので、透明能力とかを使うのだが、それを使わなくても、ストーリーは成立している。
こういう弱い人にやさしくするとか正しい心を持つとかっていうドラマが、今はない。
小学生向けのドラマっていうのがなくなってしまったのはどうなのかと思う。
8年前に、テレビ東京が、「ケータイ捜査官7」を放映したが、平均視聴率が2.7%だったそうである。
ストーリーも面白かったし、良心的なドラマだった。
しかし、少子化のせいなのか、日本人の心が変わってしまったのか、視聴率は取れなかった。
「透明ドリちゃん」は、視聴率8.6%でスタートしたが、上昇し、最高視聴率は13.0%までいったらしい。

現在、ゴールデンタイムは、バラエティや情報番組一色である。
確かに、ドキュメンタリーのような有益な番組もあるが、ドラマで、「人とはどうあるべきか」考えるのも大切だと思う。
それに、自分もそうだけど、ドラマの方が、後々まで、自分の中に残ると思う。
こういうドラマがないことが、子どもたち、そして成長した日本人の心を荒んでいる一因だと、個人的には考えている。
視聴率が低くても、そういうドラマを制作することは必要だと思っている。
「透明ドリちゃん」は、そんなことを感じさせてくれる作品だった。