■売上高3兆円なのに中小企業のおやじ?
昨年から今年にかけての企業の業績は厳しい状況が続いていますね。トヨタ、ソニー、シャープ、日本を代表する企業が赤字に転落しているのを見るにつけ、自分は本当にこの荒波を乗り越えていけるのか?と本音を言えば不安になります。ただ経営者たるもの弱音を吐かずプラス思考でいることが大切。うーんでも1月に入り落ちていく売上を見るとますます弱気になる。この荒波に大した技術もないのに飛び込んだのが俺が無謀だったか・・・・
そんな時に、私に勇気をもたらしてくれたのが、先日TV東京の「カンブリア宮殿」 で取り上げられた、スズキ の鈴木修会長兼社長の書籍、「俺は中小企業のおやじ」 です。
スズキは世界的な自動車業界の不振により売上の低迷に直面しましたが、利益は670億円と黒字を経常しています。日米のBIG3が赤字に転落したのにも関わらずです。書籍が出る前から修氏の独自のスタイルに興味は持っていたのですが、それよりも「俺は中小企業のおやじ」というタイトルに惹かれました。
会社を設立して半年、看板のない営業の難しさ、自分の判断や活動の遅れが結果に直結することの怖さを痛感していると同時に、自分自身の意識や考え方はどこかで看板のある大企業の頃から変わっていない怖さも感じていたからです。
中小企業的な動きって何だろう?看板も資源もない会社が市場で生き残っていくためには、どのような経営が求められているのだろうか?TV画面で見る鈴木会長の飾らない語りぶりに彼の考えを垣間見たくなり、
すぐにアマゾンで書籍を購入しました。
■成功に奇策なし
鈴木会長の書籍に内容については私が説明するよりも、詳しくは書店でご覧頂きたいのですが、いくつか印象に残った言葉があります。それが以下ですか、鈴木会長が現場と独自の視点から培われた言葉だけにどれも説得力がありますね。
○企業の金と時間の使い方は、経営者のかじ取りの巧拙の現れ
・1円でも安く、1gでも軽く、1分でも早く
・トップダウン・イズ・コストダウン
・率は実態を覆い隠す、個数と金額で判断せよ
・投資は3年で回収する。先憂後楽が経営の常識
○売上の魔力に惑わされない(ある人は売上は全てを癒すと言いましたが)
・スズキの売上高は取扱高に過ぎない(自分たちの付加価値こそが真の実力)
・市場のプライスリーダーになってこそ大企業である
・すぐに延びる杉の木は雪の重みで折れるが節を作る竹は折れない
・会社存亡の危機も商品の寿命も25年周期でやってくる
(この経験を組織にどう残していくか?難しいが重要なテーマですね)
■小よく大を制すための気構えと知恵
鈴木会長の言葉は、2輪と軽自動車事業の経営者としての30年の経験に培われたものだと思いますが、いずれもどの業界のどの企業にも通用する話であると思います。
冒頭のタイトルで「中小企業のメンタリティー」と書きましたが、もう少し具体的に言うと、看板も資金も潤沢でない小規模な企業が、厳しい市場環境の中で、存在感を発揮し、勝ち残っていくための「人間の気構えと知恵」ということでしょうか。
力がなければ、何よりも強い想いを持っていなかればならない。体力がなければ、しかるべき勝負のために力を貯え、やるべきこと/やらないことをはっきりさせなくてはならない、そしていずれの決断も迅速に行わなくては機会は逃げてしまう。正直言って、私はまだまだこういったことを十分に体現できていません。
鈴木会長の言葉は、私に、経営者という自分の立場に心して向き合う気持にさせてくれました。