て、授業生活・バイト生活・ヲタク生活を同時進行していた私だったが

一番熱を注いでいたのは間違いなく「ヲタク生活」だ。

 

夏、冬のコミケに向けての貯金もしつつ

新刊発売日もしっかりチェックしてアニメイトで予約をし

嫁のグッズが発売されれば同じ種類のものだろうとひたすら回収。

当時2.5次元の舞台も流行っており、舞台友達とチケットを買い漁り

1列でも、1席でも推しに近い席を手に入れるのに必死だった。

そして別の日には池袋に寄り、アニメとコラボをしている某カフェで嫁のコースターを集め

自引きするまで飲み続ける、と注文しまくったり、結局色んな席を回って交換してもらったりと

あの頃は本当に楽しかった!と今でも思い出すくらい盛り上がっていた。

 

 

そんなカフェにはコラボしているアニメのキャラのコスプレをしている店員さんがいた。

もちろん全員ではなかったが、これがまたクオリティが高く、頼めば写真を撮らせてもらえたのだ。

男キャラのコスプレをしていたとしても中身は女性の店員さん、というパターンが多く

男嫌いな私でも話しかけやすかった。

 

 

しくカフェに通っているとコラボのアニメが変わった。

そう、私が大好きなアニメとのコラボ期間に入ったのだ!

とにかく死に物狂いでバイトをし、人気作品であった為に予約にも全力を注ぎ

なんとか予約を数日確保することができた。

 

待ちに待った予約当日。

同じくそのアニメが大好きな友達と池袋で合流し

何を頼もうか、○○のコースター出たら交換しようね、なんて話をしながら

自分たちの番が来るのをワクワクしながら待った。

 

 

 

そして席に案内され注文も済まし、店内の撮影をしていると

推しキャラではないが作品に出てくる男性キャラのコスプレをしている店員さんを見つけた。

最初は「格好いいな~。」くらいの気持ちだったが

気付けばその店員さんを目で追ってしまっていた。

 

その話を友人にすると「じゃあ写真撮らせてもらいなよ!」と言ってきた。

確かにいつもは「写真撮らせてください~!キャ~!」と騒ぐのだが

なぜかその店員さんには緊張のあまり声をかけることができなかった。

当時の私に今伝えられるとしたら言ってやりたい。

「それ、一目惚れってやつだよバーカ!」って。

 

 

だが、当時の私がそんなことに気付けるわけがなく

ただただカフェに通い、「ステキだなぁ。」と見つめることしかできず

気付けば友達が一緒に行けないという日でも1人でカフェに向かった。

コースターは溜まっていき、とっくにコンプリートしていたが、それでも予約し続けた。

 

そんな私を見た友達が「どんだけ店員さん好きなのよ(笑)」と言ってきて気付いたのだが

私はいつしか愛する嫁のグッズの為ではなく

ただただ店員さんに会いたくて通っていたのだ。

そこで男性のコスプレをしているとはいっても女性の店員さんを目的に

カフェに通い続けているのは流石に変だろうか、と不安に思い始め

友達に話してみることにしたのだ。

 

高校生の時に同じように目で追ってしまう友達がいたこと。

店員さんに対して「話してみたい」「触れてみたい」と思っていること。

 

正直誰かに話すには初めてだった。

大学の授業のときみたいに突き放されてしまうだろうか?

それって変じゃない?と言われてしまうのだろうか。

友達からの返答が怖かった。

 

 

しかし友達は「いいじゃん!」と話を受け入れてくれた。

今度一緒にカフェ行って、私が写真頼むから撮ってもらいな、とまで。

そんな反応が返ってくるとは思っても見ず、心底

「この人と友達になって良かった。」

「初めて話す相手がこの人で良かった。」と思った。

 

 

日実際に写真を頼んでくれ、私は緊張で倒れそうになりながら

店員さんと写真を撮ることも、そして会話することもできた。

途中友達が「この子、店員さんのことが好きすぎてずっと通ってるんですよ~。」

なんて言い始めたので発狂しそうになったが

「えー!ありがとうございます!」と言ってもらえて倒れかけてしまった。

 

そこで私はひらめいた。

そうだ、ここでバイトしよう!と。

アニメもコスプレも好き、何より同僚になればカフェに通わなくても会える!と

ナイスアイディアと自分を褒めすぐに応募した。

 

 

しかし結果は不合格。

その後すぐにコラボも終了し、次のコラボが始まってから足を運んでみたが

あの店員さんの姿を見ることはなかった。

短期バイトだったのだろうか。

 

 

私はカフェに通うのを辞めた。

 

 

最初で最後の2ショット写真を待ち受けに設定し

そこでやっと

 

私、本気で好きだったんだ。

 

と気付いた。もう遅いが。

連絡先なんか知るわけもない。

何なら本名も苗字しか知らない。

 

 

意気地なしの自分に腹はたったが、素直に諦めようと、少しだけ自分を慰めた。

 

 

 

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