喜寿も過ぎた俺たちの青春

 

 第一章 再会

 第二章 あいつどうしてる?                 

 第三章 喜寿団結成                  

 第四章 砂町銀座大集合

 第五章 日本三大カルスト平尾台               

 第六章 喜寿と古希との合コン               

 第七章 宮川の初恋

 第八章 キャンプファイヤー

 第九章 ラスベガスで吠える                 

 第十章 永遠の青春                     

 

(この物語はフィクションであり、実在する個人・組織等とは一切関係ありません)

 

 

  

  2ー3

 

 僕が入り口に近いところに座ろうとすると、近藤がそこを指さした。

 

 「俺が新米だから、そっちに座るよ」

 

 「今日は、お前の歓迎会だから遠慮するなよ。但し、会費はきっちり頂くからな!」

 

 沢村が、笑いながら今日の趣旨を説明した。

 

 「いや、やはりそうさせてくれ。その方が、俺は落ち着くんだよ」と近藤が主張する。

 

 「じゃあ、そうしようよ」

 

 中野が同意し席に着いたので、僕らも席に着く。

 

 先ずビールが運ばれてきた。それぞれのグラスにビールを注ぎ合ったところで、中野が口火を切る。

 

 「じゃあ、近藤を引き寄せてくれた沢村に乾杯の発声を頼むか。よろしくな」

 

 沢村が了解し、グラスを上げた。

 

 「新しいメンバーを迎え、ますます楽しい会となることを祈念して乾杯しよう」

 

 「乾杯‼」

 

 一気に飲み干した中野が、「あ~、これが本当のビールならなぁ」と本音を漏らした。

 

 僕は、「そうだよな。だけど車だし、昼間だし……しょうがないんじゃないのか?」と言った後、近藤に顔を向け、待ち構えていたかのように質問を投げかける。

 

 「お前は、ずっと小倉にいたわけじゃないよね。自己紹介のような形で教えてくれないか?」

 

 「俺は、博多の大学を卒業して、S・G株式会社に就職したんだ。小倉支店に短期間勤務した後、本社のある博多はもちろん熊本や長崎、鹿児島などへも転勤していったんでほとんど小倉にいなかったな」

 

 「転勤族か……引っ越しで大変だったろう」

 

 と僕が労うと、中野が咳払いを一つしてから尋ねる。

 

 「いつ、小倉に戻ったんだ?」

 

 「六十五歳の定年後、再雇用で五年勤務した後だ。徳力の近くにマンションを買って住んでるから、今度、遊びに来てよ」

 

 質問が終わったようなので、僕が持ってきた写真を取り出して近藤に見せる。

 

 「これ、憶えてる?お前と酒田が写ってるぞ」

 

 「憶えてないな、高校時代か、懐かしいな~。それにしても随分変わったものだね、俺はこんな顔だったのか。この真ん中にいる女生徒は?」

 

 「俺も憶えてないんだ。これを大事に持っているということは、当時、俺が好きだった人かも。中野と沢村は、この女性徒誰だか分かる?」

 

 「知らないな」

 

 二人があっさりと答えた。

 

 「そうだよな、当事者の俺が憶えていないんだから……ところで、こないだ宮川と電話で話したよ」

 

 早速、義兄弟の沢村が反応する。

 

 「元気そうだった?」

 

 「そうとも言えないようだ」

 

 「どこに住んでるんだ?」

 

 「江東区の砂町銀座というところだ。俺が住んでいた東砂のすぐ近くで、都内でも有数の商店街に住んで二十年になると言っていた」

 

 「じゃあ、お前とすれ違ってたかもしれないな」

 

 「たぶんな」

 

 「俺たちみんなで、宮川に会いに行かないか?」

 

 と提案した沢村は、その気満々だ。

 

 「それもいいけど、来年の春に高校の同窓会があるからそれに誘おうよ」

 

 「誰が連絡役をやるんだ?」

 

 「俺がやるよ。最近、連絡を取り合ってるから……あいつからも時々電話がかかってくるんだ。だから適任だと思うが、どうだい?」

 

 「いいね!福永、頼むぞ~」と賛同した三人が、パチパチパチと拍手を送った。

 

 「宮崎が加わると、いよいよ高校時代の仲間五人が全員揃う」と思うだけで、僕は何だかワクワクしてきた。

 

 

 

   (つづく)

 

       次は、10月28日投稿予定です。