『パリ五輪の体操女子で代表に決まっていた宮田笙子選手が、喫煙と飲酒を理由に“辞退”に追い込まれた』というニュースが出た。
すると、「未成年の飲酒、喫煙ぐらいでオリンピックの夢を奪うな」と擁護する意見が出てきた。
↓法律を作る議員さん側が『喫煙ぐらいで』と言うのは抵抗があるが・・・。
それ以上に、「法を犯した人間が日本代表としてオリンピックに出せる訳ない」という意見も多かった。
さらにこの両論を見て、冷めた目線で「そんな白熱する問題ですか?」っていう以下のような意見も出てきた。
コラムニストの考えも微妙じゃないかい?
体操・宮田選手の五輪辞退に「当然だ!」の声があふれる気持ち悪さ
コラムニストの石原壮一郎
このコラムニスト石原壮一郎さんの意見としては、未成年の喫煙、飲酒という誰でも経験するような軽微な犯罪で目くじら立ててワーワーいう人たちってそれを叩くことで、
「いいことをしている快感」や「正義の味方になった気分」を感じられるからでしょうか。何だったら「世直しに貢献している自分」にウットリしている。
と言っている。
『やりすぎだ』と言っている人はちゃんと実名で意見を表明しているが、『けしからん』と言っているのはみんな匿名で厳しいこと言ってる。だけど、その人達にとっては『自分には関係ない話。』なのにね。『気持ち悪い』と言っている。
石原壮一郎さんは実名で話されている。
だけど、この水掛け論を同じ目線で話してるだけで、結局この人も言いたいこと言ってるだけだと思う。
意見を主張するなら代替案が欲しいところ。でもこの方は、
ひとりひとりに悪気はなくても、客観的には「寄ってたかって弱い者いじめをしている図式」になるんだと、あらためて感じました。「ああいうことはしないようにしよう」と、他山の石にさせていただきます。「世間様とはそういうものだ」ということも学びました。ありがとうございます。
と、「世間様とはそう言うものだ」と悟りを開いて終わりました。
未成年の喫煙、飲酒はどんな犯罪なのか
↓未成年飲酒で下される処分とは? 誰がどんな罪に問われるの?
そもそも、未成年の飲酒や喫煙の問題点は、子供の発育途中の脳細胞にダメージを受けて健全な発達がさまたがれて、学習能力などが低下する恐れがあるとか、肝臓などの臓器への影響やアルコール中毒の発症、性ホルモンの異常など、身体への影響を与える恐れがある点をいうらしい。
だから法律で禁止されている。
あとは精神的な影響や社会性への影響もあるからのようだ。
で、刑罰は?というと、本人への罰則は無いのだ。
しかし、退学や解雇される場合もあるということ。
要するに、子供の健康や成長を考えての法律なのだ。
だからオレは、あたかも法を犯した犯罪者呼ばわりする意見に違和感を覚えるのだ。
宮田笙子さんの場合、過去にも喫煙、飲酒で厳重注意を受けていたというので2度目だということもあるが、しっかり反省させれば良いのでは?と思う。
武井壮さんの意見はスポーツ界側からの目線で好感が持てる
しかし、スポーツマンの武井壮さんは違う。
↓「世間に謝った訳でもない」武井壮、宮田笙子選手の処分に「当然」と豪語も…思い出されるフェンシング会長時代の“激甘対応”
多大なる国の予算や強化費を使って、ナショナルトレーニングセンターで合宿や遠征を行う選手がそんなルールすら守れなかったら、当然外される。僕はそれでいいと思っている
と語っていた。
指導者の『監督不行き届き以外の何者でもない!』ということだ。
確かに、国からのお金が投入されている選手に対して、国民から反感を買ってしまったのだから、その怒りを治めなくてはならない。
武井壮さんはスポーツ界の内側が腐ってるから起きた事件で、襟を正せと言っている気がする。
立場をわきまえたいわば身内側の発言で好感が持てる。信頼を回復するには『身内に厳しく』と言うことだろう。
逆にこの状況でスポーツ界が『これぐらい大目に見てよ』という雰囲気を出すようだと、ますます世間からバッシングを受けるだろう。
責任問題ということか。責任を取るってどういうことか考えたことがある
『責任を取る』ってなんだろうと考えていた時に、「なるほど」という回答があった。
↓「責任を取る」とはどういうことかを考える
Kenichi Aichiさんのnote記事がとても納得できたので紹介する。
その前に。
NHKの『プロジェクトX』でも最近、スーパーコンピュータ京の開発秘話をやっていて、上司から「俺が責任を取る」と言われたという場面がある。
この責任って何?ってずっと思っていた。不祥事の場合、責任を取って社長が辞任とかあるが、辞めれば責任を取ったことになるのだろうか。
オレも昔、上司から言われたことがある。「お前ならできる。期待している」と付け加えられた。言うのは簡単だが、成功させるためにたくさんのプロセスを積み上げて成し遂げるのは一苦労だ。
ただ、上司から直接そう言われたのだから相談はしやすかった。上司に口利きをお願いしてオレでは辿り着けない相手に根回しができた。
だから、『責任』ってその人の『権限』ということで、『責任を取る』ということは、辞任すればその権限を奪うことになるからそういうことかなと思っていた。
しかし、辞めるだけが責任の取り方とも限らない。
『3ヶ月間、給料10%返上』というのはどうか。市役所や県庁での不祥事でよく聞く罰則だ。
しかし、3ヶ月経てば無かったことになるのか。
そこで、この記事がドンピシャだった。
『自分がやったことを、やらかしたことを、自分と世間が真の意味で納得した形で取り返しがついた状態にもっていくこと、それが真の責任の取り方。』
なるほど。自分と世間が納得する形か!
- 社長が辞任までしたんだからこの件は納得した。
- 本人には減給処分が下されたのだからこの件はひと段落ついたな。
となることで、本人も世間も納得できれは責任を取ったことになるのだ。
で、宮田笙子選手の場合。
法律的に違法行為をしているが、罰則はないのだから、厳重注意で良いだろう。議員さんが言うように反省文とか書いてもらうとしよう。
この時点で、本人は納得することはできる。しかし、世間はどうか。
国のお金を使って日本代表になっているのだ。他にもたくさん日本代表になれる選手はいるぞ。
それなのに、わざわざ法律を犯した宮田笙子選手が代表を続けて良いのか?
という声が上がるだろう。
そう。
責任を取ってくれ(納得させてくれ)ということなのだ。
日本体操協会からの助言なのか、宮田笙子選手から辞退を申し出たとなっているが、丸く収めるために辞退させたとも取れる。
どちらにせよ、辞退しても世間を納得させることができなかった上、辞退する必要があるとか無いとか論争が繰り広げられてしまった。
どういう方法があるのか?
どうにか世間に納得してもらうことができたら、炎上することはなかったのではないかと思う。
もしかしたら、本人が記者会見して謝罪し反省を示し、小さい頃からオリンピックの出場が夢であることを語り、協会や大勢の関係者の協力を得て立ち直ることができたので頑張らせてもらいたいと涙ながらに訴え、協会も必死に監督不行き届きだったと改心したとしたら、そこまで反省しているならって世論も変わり、事態は治ったかもしれない。
だから今の対応と状況なら、オリンピックへ出場辞退について当然という人の心情も理解はできる。