舟木一夫

2025ふれコンで歌った曲⑪

「わかれうた」

　　―8月21日発売の「歌の手帖」に舟木一夫登場―

　　―「日航機墜落事故」&「和泉雅子という人生」―

　本題に入る前に―。「お盆」は“盂蘭盆会(うらぼんえ)”または“盂蘭盆(うらぼん)”を略した言葉とされています。2025年のお盆は“盆の入り”の8月13日(水)から16日(土)までの4日間(8月盆)が一般的ですが、一部地域では7月13日から16日の4日間(7月盆)で行われます。お盆はご先祖様をお迎えして感謝を伝える期間で、自宅でお迎えの際には玄関先などで“迎え火”を、お見送りの際は“送り火”をするのが通例です。また、墓参りは“迎え盆”の13日に行くのが一般的で、ご先祖様の霊を迎えるため“送り火”を焚きます。今年は17日が日曜日なので、13日から17日までの5日間を“お盆休み”とする企業が多いようです。ちなみに、キュウリやナスに棒を刺して作る供物の精進馬はご先祖様の霊が乗るためのもので、キュウリの馬で早く家に辿り着いて欲しい、ナスの牛でゆっくり帰って欲しいという思いが込められています。

◇

　本題に入ります―。舟木一夫さんが2025年6月23日(月)と28日(土)に東京、大阪で行った「ふれんどコンサート」(通称・ふれコン)で11曲目に選んだのは、中島みゆきさんが1977年9月10日にキャニオン・レコードからリリースした5枚目のシングル「わかれうた」(作詞&作曲・中島みゆき)でした。　現在73歳のみゆきさんが25歳の時に発表された曲ですが、私は初めてこの曲に接した時に「25歳の女性がこんな詩を書かれるとは!?」と、その深い内容に驚いたことを思い出します。　

　途に倒れて　だれかの名を

　呼び続けたことが　ありますか

　人ごとに言うほど　たそがれは

　優しい人好しじゃありません

　別れの気分に　味を占めて

　あなたは　私の戸を叩いた

　私は別れを　忘れたくて

　あなたの眼を見ずに　戸を開けた

　別れはいつもついて来る　

　　　　　　　　　幸せの後ろをついて来る

　それが私のクセなのか　

　　　　　　　　　　いつも目覚めれば独り

　あなたは愁いを身につけて

　うかれ街あたりで　名をあげる

　眠れない私は　つれづれに

　わかれうた　今夜も　口ずさむ

　※以下略

　冒頭にいきなり、♪途に倒れて　だれかの名を　呼び続けたことが　ありますか…とありますが、　愛する人を失った深い悲しみや絶望感を見事に表現しています。そして、♪たそがれは　優しい人好しじゃありません…と、「たそがれ」という時間帯が誰もが思う何となく物寂しい時ではなく、失恋した女性には決して優しい時間ではないことを強調しています。その表現の斬新さにうーんと唸るしかありません。もし、ふれコンのDVDが出るようなことがあれば、舟木さんの声で再確認したいと思います。

　ユーミンこと松任谷由実さんはかつて、「ライバルは?」と聞かれて2歳年上の「中島みゆきさん」と答えています。ユーミンは以前、みゆきさんのコンサートツアーのパンフレットに「私がせっかく乾かした洗濯物を、またじとーっとしめらせてしまう、こぬか雨のよう。でも、そうやってこれからも一緒に、日本の布地に風合いを出していきましょう」と記し、みゆきさんは自著の中でユーミンを「尊敬している」と書いています。二人の切磋琢磨が互いを大きくした原動力の一つではないでしょうか。

　中島みゆきさんは1952年2月23日、北海道札幌市の生まれ。本名は中島美雪(みゆき)。生まれた日に札幌で“美しい雪”が降っていたのでしょうか。祖父は帯広市議会議長を務めた政治家、父は北大医学部出身の産婦人科医。帯広柏葉高校3年の時に初めて文化祭のステージでオリジナル曲を歌い、藤女子大文学部(国文学科)在学時に音楽活動を始め、“コンテスト荒らし”と呼ばれていたそうです。デビュー前には100曲以上のオリジナル曲を作っていました。

　23歳の1975年5月にヤマハ音楽振興会主催の第9回ポピュラーソング・コンテストで「傷ついた翼」が入賞。9月に「アザミ嬢のララバイ」でキャニオン・レコードから歌手デビューしました。そして、10月の第10回ポピュラーソング・コンテストで「時代」がグランプリ受賞すると、「時代」は12月に2枚目のシングルとしてリリースされました。これをきっかけにヤマハミュージックの川上源一さんに見いだされることになりました。

　1976年4月にファースト・アルバム「私の声が聞こえますか」をリリースした後、研ナオコさんに「LA-LA-LA」(同年6月発売)と「あばよ」(同9月発売)の2曲を提供。2曲とも大ヒットしたのを受け、中島みゆき=ソングライターの名を一気に広めることになりました。研さんは「LA-LA-LA」で大晦日の第27回NHK紅白歌合戦に初出場し、彼女も一躍有名歌手の仲間入りを果たしました。「わかれうた」をリリースしたのは翌年で、70万枚を超える大ヒットし、シンガーソングライターとしての名声を得ることになりました。

　みゆきさんは自身のヒット曲として「世情」「悪女」「空と君の間」「ファイト!」「地上の星/ヘッドライト・テールライト」(NHK「プロジェクトX～挑戦者たち～」の主題歌)など多数がありますが、提供曲も多く、研ナオコ「かもめはかもめ」、ちあきなおみ「ルージュ」、桜田淳子「しあわせ芝居」、加藤登紀子「この空を飛べたら」、増田けい子「すずめ」、郷ひろみ「美貌の都」、柏原芳恵「春なのに」、工藤静香「慟哭」、TOKIO「宙船(そらふね)」などで、工藤静香さんには25曲提供しています。

　また、みゆきさんは1989年11月から“言葉の実験劇場”と銘打ち演劇とコンサートを融合した舞台「夜会」を東京・渋谷のBukamura・シアターコクーンで始めました。初回は11月17日～12月9日までの全20公演。1998年(11月23日～12月25日までの全25公演)の第10回までは毎年開催し、以降は不定期で公演場所も青山劇場や赤坂ACTシアターなど変わっています。私も初期の何回かにお邪魔したことがありますが、まさに画期的&圧巻のステージでした。

　みゆきさんと言えば、2002年の第53回NHK紅白歌合戦に出場し、「プロジェクトX」でも取り上げられた黒部ダムからの中継で「地上の星」を歌いました。歌手別視聴率52.8%という注目シーンでした。極寒の中で極度の緊張から2番の歌詞を間違えるハプニングがありましたが、この曲は翌年1月、発売から2年半近くかかってオリコンシングルチャートでNo.1に輝きました。みゆきさんは「プロジェクトX」の最終回に出演して「地上の星」を熱唱しました。

　ところで、今回のテーマ曲「わかれうた」は、みゆきさん初のオリコンシングルチャート1位を獲得した曲でもあります。その後、研ナオコ、柏原芳恵、伍代夏子、高山巌、徳永英明、加藤登紀子、庄野真代、平井堅&草野マサムネ、布施明、桑田佳祐、門倉有希、荒牧陽子、坂本冬美さんらによってカバーされています。この曲のB面に収められた「ホームにて」も門倉有希、MARICO、矢野まき、半崎美子さんらにカバーされています。亡くなった有希ちゃんの歌声もいいですよ。是非、お聴きください。

💛

8月21日発売の「歌の手帖」に舟木一夫登場

　舟友さんからご連絡がありました。8月21日(木)発売の月刊「歌の手帖」10月号の「音ステージ」のコーナーに舟木一夫さんが真田ナオキさん、青山新さんとともに登場します。お楽しみに。　

　　下は神野美伽さんのオフィシャルブログです。舟木さんからロビーには舟木

　　一夫さんからの花も…。

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下は「akiraの徒然日記」の「日航機墜落～40年目の『8月12日』」です。

下は「akiraの徒然日記」の「『和泉雅子という人生』<第3回>」です。

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★連載
「決定版！出会いと別れの80年⑥遠藤実」

　舟木一夫　
遠藤憲一「きっちりおじさんのてんやわんやクッキング②」　
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調査報告むチュー刑事　

舟木一夫～2025東西ふれコンで歌った曲⑪