「ユカさんから音声電話です」電話がしゃべる。
まだ怒っているのかな。
「ユカさんの心拍数は92、血圧は135です」
電話をとる前にユカの状態がわかった。少し興奮している。
やっぱり怒っているみたいだった。
「自転車でアキの家に向かってます」
アキの電話は、明るく元気だった。
心拍数の高い理由が分かってほっとした。
昨晩ユカと食事をしている時に、料理を運んで来た店の人に
「すごく美しいですね」と言ってしまった。
ユカは飲みかけの水を全部僕にかけて、怒って店を出てしまった。
玄関にユカが到着したようだ。
「昨日はごめんね」と言うのと同時に、
水鉄砲で沢山の水をかけられてしまった。
「アキの好きなカレーライス作るから、
お風呂にでも入って顔を洗ってきなさい」
濡れたシャツを洗濯機に入れ、シャワーを出しながら
お風呂でテレビを見ていた。
トントンという包丁の音が止まった。
ガラッとお風呂の扉が開いて、ユカが水鉄砲を持って入ってきた。
「ピシュー、ピシュー」
「わ~っ」