日本の皆様、おはようございます。

 

AKIRAのシフトは、ムラーノ(ヴェネツィアン)ガラス界では大変珍しく遅番で、16:00〜24:00まで。

 

最近何やら遅くまで工房に一人残って作業し 、3時ごろ、帰宅していたのですが、AKIRAの師匠、ロベルト・フィノットと合作するための素材作りで帰宅が遅くなったそうです。

 

AKIRAが準備していたのは、まだ未発表なのでお見せできないのですが(写真下)、昨年末、考案したデザイン技術を使用しての素材でした。

 

 

そして、その素材を使用してマエストロと製作したのは花器(壺)で、その花器の名前は「VERONESE(ヴェロネーゼ)」と呼ばれています。

 

マエストロ・フィノットは、ムラーノの伝統装飾が作れるマエストロで、残り2〜3人の内の1人なのですが、今回、AKIRAの素材でマエストロが形成したヴェロネーゼは、世界に4つだけになります。

 

マエストロに2つ、私に2つ。

 

勿論、製作日とマエストロとAKIRAのサイン入り。写真(下)は、マエストロがサイン中。

 

 

写真下、一番左にある20年ほど前に購入いたしました、マエストロ・フィノット作のカラフとAKIRAの新作と一緒にヴェロネーゼを飾りました。

 

ヴェロネーゼは、右の2つ。金箔を施した透明のガラスの球体の部分は、左側はリガディンと呼ばれる縦線の型を使って、右側は私のリクエストで、バロトンというキルティングのような模様になる型を使って製作してもらいました。

 

 

マエストロ用の2つは、球体部分を1つはレティチェッロという最高峰の技術を使ってのものと、もう1つはシンプルにリガディンの型を使った透明のガラスで製作したそうです。

 

 

さて、花器「ヴェロネーゼ」ですが、中世のヴェネツィア派の画家「パオロ・ヴェロネーゼ」(1528〜1588)の名前からきています。


欧州においては、「受胎告知」のテーマで絵画を描くのは珍しいことではなく、ヴェロネーゼも生涯のうちに何度か描きましたが、ヴェネツィアのアカデミア美術館に所蔵されている、彼が亡くなる10年前の「受胎告知」(1578)に・・・

 

 

素敵なガラスの花器が描かれました。

 

 

そして、時は進み1921年、日本でも有名なムラーノガラス工房「VENINI(ヴェニーニ)」で、当時、芸術監督だったヴィットーリオ・ゼッキンが、このヴェロネーゼの「受胎告知」からインスピレーションを得て、芸術文化とガラス製作技術の伝統を融合させ、「ヴェロネーゼ」という花器を生み出したのです。

 

そのフォームは、ヴェニーニのトレードマークにもなっておりますし、またムラーノガラス界の他の工房でも人気があり、製作できる方は少なくなりましたが、現在では、様々なムラーノガラス店のショーウィンドウで見ることができます。

 

 

そのような素晴らしい歴史あるフォルムを、AKIRAの新技術のデザインでマエストロ・フィノットが形成し、2人のサインも入れてもらい、世界に4つしかないと申しましても、球体部分はそれぞれ全てが異なるデザインですので、本当に一生もののムラーノガラスを一度に2つも贈られまして、舞い上がってしまいました。

 

 

マエストロ・フィノット、AKIRA、本当に有り難う。一生大切にします!!

 

 

 

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