愛犬の眠るような死顔を撮って以来、久しぶりにカメラを持った
乱雑なデスクや、脱ぎ散らかした服
や、ギターや、本
椅子から見える範囲を、見えるだけ撮った
それが、今この瞬間、私に与えられた宇宙で、私が宇宙に与えた光
賭けてみてもいいのかもしれない
これから書く5曲の詞
そこに完全な不完全を見出すことが出来るなら
私は、まだ生きることを許されるように思う
死ぬためにバイクに乗るのではなく
生きていると感じるためにアクセルを開く
5000回転近く、その振動や、横風や、道路の凹凸への恐怖は、きっと、自傷行為なぞよりも、はるかに私を生きたいと思わせてくれるのだと思う
何よりも、そこから見える、風のある景色が
産み出されることを放棄された、古めかしい400の黒いやつ
アレとなら、通じ合える気がする
完全な不完全
風のある景色
ノイズ、声、旋律
私は、死にたい
今、それが私の心を捉える感覚であることは、一つの真実だ
けれど、それ以上に生きたいから、美しい嘘や、愛おしい幻を探して、足掻く
書いて、歌う
力は要らないらしい
ならば、ただ踏み抜け