先日、


末期ガンと診断され、もうあと1週間もたないだろう


という知り合いのおじいちゃまの所へ治療に行った。





もう私のことは解らない様子だったけど、


いつも寝たきりの患者さんへ治療しているのと


同じように治療をしていく・・・






おじいちゃまのご家族は、


末期ガンだと分かった時から、


必死で支えてきていた。







食事に気を付けたり、


お灸治療をしてあげたり、


床ずれが出来たときにも


必死にサポートして治していた。







ご家族の思いは深く、


「いつまでも長生きしてください。」と。






それを感じていたおじいちゃまは、


必死で それに応えていた。





入院する2週間前には、


カラオケに行って歌っていた。





入院する3日前には、


自分で車を運転して灯油を買いに行っていた。







けれど、ある日突然、「もう頑張れない」と言う。





張り詰めていた糸が切れたように、

力が入らなくなった。






余命数週間と言われていたのを、


数ヶ月長く 生きていた時だった。





すぐに救急車を呼んで、即入院。







あと1週間もたないと言われて数日後に


私に連絡が来て、病院へ行きました。







点滴や、酸素吸入の管、心電図を図るものなど


色々なものを付けていて、


それを何度も自分で外してしまうので拘束されていた。






看護師さんが、


「マッサージをするなら拘束を外しますね。」


「もし、なにかあったら呼んでくださいね。」


…と言って、拘束を外してくれた。





おじいちゃまに、


「私のことわかるかな?

 

 普段、患者さんへ気を流す治療やってるんだよ」



「気功って知ってる?

 まあ、知らなくってもいいけど、気を流していくね^^」

と言って、マッサージをしていきました。







ご家族は、


「点滴や、酸素吸入は苦しそう。。。」


「全て外して自由にしてあげたい。」




「このまま亡くなるまでの間、

 

 苦しみ続けるのは見ていられない。。。」


「痛みで苦しむことがないようにしてほしい。」



・・・そんな希望を話していらっしゃいました。








そうだよね。


苦しまないで欲しいと願うよね。。。







マッサージをしていると、


ふいに、おじいちゃまの目がキラっと輝く、

寝返りもやっとなのに

自力で頑張って寝返りをして

私に背中を向ける。






「背中をさすればいいかな?」と聞くと、

ウンウンと頷く。






なので、

背中を全体的にさすったあとに、

気(生命エネルギー)を

全身に回すツボに手を当てて

じっくりと気を流す。






今までお世話になりました。



本当にありがとうございます。



あなたが居てくれたことに感謝しています。




などなど、、、

私の思いを言葉にせずに雰囲気で伝える。







言葉にしなくても、

ちゃんと何かを感じ取ってくれたように、

ウンウンと頷くおじいちゃま。





頭から足まで全身マッサージしていく最中、


何度も何度も ウンウン と頷いていました。







ご家族が治療をしている様子をみて、


「気持ちよさそうね~」

「よかったわね~」と


嬉しそうに声をかけてくれる。








良かったな。


ちょっとはお役に立てたかな?










次の朝、ご家族から連絡がきました。




「あの数時間後に、息を引き取りました。


 最後にあなたにマッサージしてもらって良かったわ。


 とても気持ちよさそうにしている姿を見れて


 本当に気持ちが安らぎました」と。





私は何もできなかったけど、


おじいちゃまに、


最後に感謝の気持ちを伝えられてよかったな。








人生の最後の…本当に最後の日に


ヒトは何を思うのだろうかと、、、


私は 数日間 観ています。






心が安らかになること。。。




最後の日だけじゃなく、


いつでも大切なことだな、と思いました。