小沢健二さんの3枚 | AKI PUREブログ

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今日こちらは雨です雨


佐々木隆行様からアーティストブログの投稿をいただきましたハート


小沢健二さんの3枚 ②『Life



 恋愛が始まり、お互いの距離が加速度的に縮まりつつある過程。その抱えきれないほどの幸福感をダイレクトに音楽にぶつけたのが、『Life』です。



多幸感あふれる語彙が連打される歌詞にも、等身大の自分を投げ出すような歌声にも、ストリングスを大胆にフィーチャーした演奏にも、とにかく楽しくてしょうがない、といった昂ぶりがはちきれています。



1994年のこのアルバムの発売当時、あまりにも大胆な彼の転身に驚かされたと同時に、70年代ソウルを下敷きにしながら、90年代の東京をリアルに表現する独自の創造性に昇華する大成功ぶりに、大きく感嘆させられたものでした。



それまでの小沢さんの音楽は、スノビズムが強い魅力に転化したものでした。ポップミュージックの歴史に残されている数々の足跡を、都会人らしいセンスで取捨選択し、自身の音楽の核とする、相対感覚に優れた編集者的な音楽だったと言えます。



しかし、『Life』での小沢さんは、そんなハイセンスな通人ぶりをかなぐり捨て、簡単単純な激情を、技巧をこらすことなく吐き出したのです。彼ほど斜に構えたポーズが様になっていた男が、こんなに無邪気に恋愛賛歌を叫ぶとは!



この恐るべき躁状態によって紡がれたラブソング群は、多くの女性の人気を博し、ヒット曲の連打、連日のテレビ出演によって一躍、オザケンは時の人となってしまったわけです。



しかし、こんな多幸感は長くは続かない。恋愛の高揚感があくまで瞬間的なもので、必ずいつかは失われるのだという予感のせつなさは、例えば、「ドアをノックするのは誰だ?」には強く漂っています。



その後小沢さんは更に大きく作風を変えていき、この多幸感は2~3年で終わるわけですが、もしかしたら20代中盤とはそんな年代なのか?とも考えさせられます。