前回の日記(手術当日のこと)の続き。
麻酔で完全に眠った私が次に目覚めたのは、回復室の中だった。
手術時間は5時間30分という、予定通りの時間だったらしい。
だが、私にとってはわずか数分間の出来事のように感じ
一瞬、手術が終わったのかどうかが判断出来なかった。
だが下半身に感じる強烈な違和感と、焼けるような熱さが、私に手術が終わったことを感じさせる。
念のために近くにいた看護士に「フィニッシュ?(終わった?)」と尋ねると
「ンニャー、ソンニャー%&○▲&♪&%#”+*……」
と素敵すぎる意味不明な返事をされる。
分からない。
だが、下半身に感じる痛みと、全身を包む嫌悪感が手術終了を知らせる。
おそらく10分程、そのまま回復室で待機。
吐き気とだるさが襲う中、しばらくしてからストレッチャーで部屋に戻る。
普通はここでもう一度眠りにつくらしい。
もちろん、私にも眠気はあったのだが
何故か、こんな経験二度とないのに寝てしまうなんてもったない、という
貧乏根性丸出しの性格が勝り
起き続けた。私はそういう人間だ。
部屋に戻ると、ストレッチャーからベットに移される。
結構な人数で持ち上げられた気がする。7~8人ぐらい。
「せーのっ!」的な掛け声と同時に
しかも割りと雑にベットに移動させられる。
患部に激痛が走り、思わず
「ふんげぅっ!」という
全く可愛げのない声がこぼれる。
その後、手術が無事に成功したこと
予定通り5時間30分だったことなどが伝えられる。
自分の体をよく見ると、左手と下半身にカテーテルのようなものが取り付けられている。
体を動かそうにも、まったく力が入らない。
術後は大量のモルヒネが投与されてたため
そこからあとのことは、よく覚えていない。
とにかく吐き気と、だるさと、高熱と、下半身の痛みが、このあと一週間ほど続くことになる。
水を飲んだだけでも吐いてしまうくらいだ。
インフルエンザの10倍キツイ感じ。
特に術後2日程はモルヒネの量が多いため、吐き気と意識混濁とが続き、耳もよく聞こえなくなる。
また、5日程は寝返りも自分でうてないため、介助が必要になる。
汚い話だが
便も自分でコントロール出来なくなるため、シーツがすぐに汚れてしまう。
小便は大丈夫。カテーテルで上手に排泄されるシステムだ。
この期間は、とにかく安静に、何も考えずにひたすら寝ることをお勧めする。
スマホを見ることもつらく、吐いてしまうくらいだ。
今でも不思議に思うのだが、私はいったいどうやってこのブログを毎日更新していたのか
あまりよく覚えていない。特に術後すぐのブログなんかがそうだ。(この日記)
だが何か変な使命感と、自分への記録用に頑張って書いていたのかもしれない。
私は回復速度が異常に早いほうだが
それでも一通りの、歩くことや、シャワーを浴びることや、食事をとることなどが可能になるまで
ここから10日を要した。
回復が遅い方は、3週間経ってもずっとおしっこの管が外れなくて寝たきりだったりと
個人差は大きいらしい。
丈夫に産んでくれた親に、感謝。