どうやって留学する9~言葉と器楽~ | パリと音楽と大学と

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パリにて声楽、シャンソンを指導。パリの音楽学校在学中より、フランス各地・ヨーロッパで様々なコンサートを経験。フランス国家公認声楽講師資格。アラフィフの物語を振り返るつもりです。

投稿の不都合のため、10と前後します。ご了承ください。

話を戻しましょう!


さて、楽器選考なら「言葉なんて関係ないからどうでもいい」ということはありあません。音楽、作曲者の好みは、留学先のしぼりこみの重要な要素。これも、声楽のように、希望していないジャンルを弾くことになる可能性はありますが・・・


西洋音楽史をよく見ていくと、時代によって音楽の中心地として描かれている国は、移動していきます。


フランス語を学ぶのは、フランスの作曲家の器楽曲を学ぶのに必須であるか?ときかれたら、私はハイと答えたいと思います。どこがどうして、といわれると、まだ少し時間を頂かないと上手に言えませんが、たとえば、ごく単純にすべての曲がアウフタクトで始まることはない、とか、そんな感じ。ドイツものはアウフタクトが似合いますが、フランスものは、けっこう強迫から始まったり。(アンケートとってないのでわかりませんが)また、歌でも拍子が変わることが多いとか、8分の6が多いとか、4小節で切れないフレーズが多いとか、平たい歌曲が少なくて、難しい曲が多いとか・・・



歌曲を作っていないフランスの作曲家はどれくらいいるのかしら。「歌曲しか」作っていない作曲家もほとんどいないようです。そういった人の作品をみると、どうしても歌曲の世界はその作曲家をよくあらわしているのではないか、と思います。そして、歌曲と器楽曲のあいだに全く関連のない曲をつくることはできないでしょう。


作曲家それぞれの「音楽ことば」がはっきりうかんでくるからこそ、作曲家それぞれの存在があります。話し言葉は、音楽に欠かせないものだと思うのです。ですから、音を弾いていれば形ができると思わずに、器楽の方も語学の勉強をお勧めする次第です。