ドキュメント72時間
またしてもNHKの番組について、で恐縮です。
今回はドラマではなく、ドキュメンタリー系。
NHKの人気番組(だと思う)に、
『ドキュメント72時間』
というのがありますね。
場所を問わず、ちょっとユニークな場所に定点(ではないけれど)的に撮影カメラを置いて、72時間限定で密着し、その場所を訪れる人々の生態(?)のようなモノを観察する。そんな趣旨で一般人の、もしかすると「他愛ない物語」に分類されかねないドキュメンタリー。
対象がユニークだから、というよりも、制作側のコンセプト自体のユニークさで、すっかり人気が定着している番組、なのではないか、と思います。
大手芸能事務所界隈のタレントさんが出てきて、能書き語るようなことはありませんし、どれだけムダにカメラ回してるんだろうか?と心配になりそうなあたりも、なんとなく愛せるので、私も好きな番組のひとつです。
水道橋にあった本屋???
ただ、そういう性格の番組なので、嵌まる時と嵌まらない時、が混在する。つまりクオリティが一定しない、というネックがあるのは仕方がないもの、とは思います。
それも含めて、ドキュメンタリーという気がしてます。
金曜日に放送された回は、上の画像のサブタイトルにある通り、
「東京 眠らない書店で」
でした。
今の時代に24時間営業の本屋さん?
それだけで、チラッと観てから、視聴を続けるかどうかを決めようと思いましたが、その書店名を見てのけ反りました。
〝山下書店〟
だったのです。
〝かつてそこにあった山下書店〟
と同じ本屋かどうかはわかりません。
この書店名を聞いて、「ウソでしょ?」と思っていただけたら、私どもと同人種ではないのかな。
合言葉は「山下書店で」
私らの世代が競馬を始めた当初は、競馬場に足しげく通う前段階として、場外馬券売り場に通いますわな。西東京方面に住んでいて、100円単位で買えるのは後楽園が最も近かった時代。
その頃から黄色いビルの中にあったのが山下書店でした。
当時から野球は好きだし、ボクシングも好きだし、プロレス、相撲はもちろん他のスポーツ全般が好きでしたが、そこに行くと読みたい本が勢揃いでした。
競馬の場外があり、後楽園球場があり、青いビルには後楽園ホールがあるんですから、当たり前、と言っていい立地です。
でも、その本屋さん。
競馬だけでなく競輪、競艇などの関連本やら袋詰めされたデータ?的な書類?とか、フィギュアスケート(隣にスケートリンクがあった)やら映画関連などの雑誌とかも豊富に揃えていた。
店舗はそんなに広くはなかったですけど、とにかくそんな本屋さんですから、友達と馬券を買いに行く時に限らず、野球、ボクシングを観戦する際に、落ち合う場所としての合言葉が、
「山下書店な」
だったのです。
嬉しいような切ないような
その書店がビルの改修工事の際に姿を消した。
それでも、
「山下書店があったところな」
と言って懐かしく思い出す、ということを現在まで繰り返してきたのですが、同じ名前の書店が存在していたとは……。
大塚駅近くで24時間営業の「山下書店」が、後楽園からの移転先かどうかは、番組内で説明されていませんし、まだ確認も敢えてしていません(看板ロゴはそっくりなんですが)。
どうしても、嬉しいような、切ないような。いろんな記憶とともに、複雑な想いが先立ってしまって……。
最後にインタビューを受けた60歳の女性が、雑誌『優駿』を買って、武豊がいまも頑張っていることへの思いを語って……みたいな終わり方をされると余計にね。
大塚駅ね。
都電で行けるところなので近いうちに……。
詳しいことはその時にでも。
(おわり)
