テッポウユリは、ユリ科ユリ属、種はテッポウユリです。秋に球根を植えると5~6月に開花します。

 

 

 種子もつけるのですが、種まきから花が咲くまで何年もかかるので、普通は球根を利用して育てます。写真は「ひのもと」という品種です。

 

 純白の立派な花を咲かせるので、秋から春にかけて温室内での切り花生産にも使われています。

 

 

 この写真はテッポウユリと全く同じように見えますが、シンテッポウユリ(学名:Lilium × formolongo)です。

 

 シンテッポウユリは、テッポウユリにタカサゴユリを交雑して育成した園芸種です。

 

 タカサゴユリは、ユリ科ユリ属、種はタカサゴユリですが、テッポウユリ亜属に属するので、テッポウユリとは近縁種と考えていいですね。

 

 

 タカサゴユリは7月頃から開花するので、写真は昨年のものです。テッポウユリとは花形は似ていますが、花に紫色の筋が入ること、葉が細いこと、茎の一部が紫色になることなどが相違点です。

 

 タカサゴユリは野生種で、秋に種子が風で飛んで翌年には花を咲かせ、そこに球根を形成してその翌年には写真のような立派な花になります。

 

 シンテッポウユリは、種子をまいて1年以内に開花するというタカサゴユリの性質を維持したまま、花や草姿はテッポウユリに近いものに改良されています。

 

 ただ、茎の下の一部が紫色になるという性質は残っていますが。

 

 花屋さんで、夏にテッポウユリの切り花として売られているものの大半は、シンテッポウユリです。

 

 

 写真は過去に撮ったシンテッポウユリの生産ほ場です。晩生種が生育中ですが、右上に収穫間近の早生種が写っています。

 

 12~1月に種まきをして、4月に露地に植えると品種により7~10月に開花します。

 

 秋に球根もできるので、それを使えば6月から開花させることもできます。

 

 また、市販の異なる品種同士を交配して、簡単に新品種を作ることもできます。

 

 小さな温室があれば苗づくりは可能で、加温設備は不要です。温室のない我が家は、球根を生産者から入手して育てています。