上巻は戦闘までの理由を描いていたのですが。
下巻は、恋の物語ばっかで、甘かったです。
その甘さがいいんですけどねー。

夜を呼ぶ射手様の守り人が、ちょっと若いのに追い詰められちゃって。
暴走してます。元凶です。
でも、まあ……まさかの感じで「この人死んだの?生きてんの?」って
状況に立たされたら、罪悪感から、暴走してもおかしくないなって感じでした。

その射手様が、子供に優しい人なので、同じく暴走してる『夏の代行者』の
事も、ちゃんとお世話してるのが、可愛いです。
普段大人ばっかりなので、おもてなしが酒類しかなかったりするとこが
ちょっと抜けてて可愛いです。

この射手様は大人なんだけど、お金の為に自分の奥さんになった女性とか
お金の為に守り人になった青年の事を、とても気にしていて。
自分自身に人に愛される資格がないんじゃないかと、思ってるんだけど。
今回、守り人が居なくなったから派遣されてきた女性を好きになってて。
告白も、頑張ってました。

なんだか、一番、巻き込まれて、人生変わったのは射手様な気がします。


『夏の代行者の双子』の婚約者、それぞれも、戦闘とバックアップで
敵と戦ってます。回想シーンで、めちゃくちゃ結婚しそうにない妹ちゃん
に、これまためちゃくちゃ結婚しそうにない婚約者が恋をする話があって。

……うわあ、こういうカップルかい

って感じで、可愛かったですけど、怖かった。
夫婦喧嘩したら、旦那さんが謝るしかない夫婦になりそうです。

おくれてやってきた、秋の代行者は最年少で7歳なので移動にぬいぐるみ
が必要らしいとこが可愛かったです。

恋愛的に冬の代行者様は、春の代行者様とほのぼのしていて可愛い。
そして、冬の護衛官様は、冬春4人の中で一番大人なのに
恋愛的には一番奥手で、うだうだやってました。
それだけ、春の護衛官ちゃんの事を大切に思っているのだな、とほのぼの。

なんか登場人物のほとんどが恋愛してる感じで……夏ですね。


一応悪役の夏の里長が失脚して、つかの間の夏の自由を満喫しつつ
『そこを強制的に結婚強硬しちゃえ』ってエンディングなんですが。
双子の花嫁さん、しかも、若くてかわいい、って絵柄、いいです。
それぞれのお婿さんも、それぞれらしくかっこいいんですけど。
やっぱり花嫁さん達が、可愛かったです。

悪役というわけではないのですが。
春の代行者の異母兄が、影のフィクサー的に登場してます。
正体不明で、かっこいい。
兄、妹の事はそれなりに可愛いとおもっているみたいです。

むしろ、妹を脅かす実の両親親族を倒したい系、かな?
孤児を引き取って教育してるあたりが、意外とかわいいです。

しかも、ご褒美をあげようと、彼に聞いたら
「ご主人様と遊園地にいきたいです」
と言われて、困惑してましたが。……行くみたいですよ。
いい人ですね、わりと。


一応戦闘シーンもあったりしますけど、暴力的でもなく。
前作ほど、精神的にきつい話でもなく。
ちょっとやるせないけど、好きな人達が好きな人達を好きでいる
……ある意味、王道のラノベでは、あると思います。

一作目を読んでおいた方が、話はつながりやすいですけども。
単独で、こっちだけ読むのもあり、だと思います。

ただし、またしても530ページ位(もはや3センチに迫る勢い)
なので、こまめに読むか、一気に読むかに別れると思います。
(私は、上下一気に読みたい派ですけども)

 

「春夏秋冬代行者 夏の舞 下」 暁 佳奈[電撃文庫] - KADOKAWA