プラトンの「饗宴」にある有名な一説。
美しい神話。
男と女はもともと二身一体の生き物だった。
手が四本、脚が四本ある、蜘蛛みたいな生き物。
それが神の裁きによって半分に引き裂かれて、男と女という二つの生き物ができた。
それ以来僕らは、不完全な半身である。
男と女は自分ひとりでは充足できず、互いを求め合って彷徨う。
失った半身を探し求めて。
しかしその失った半身、運命の相手をみつけたところで、一心同体には戻れないのだ。
できることはせいぜい、婚約して死ぬまで一緒に暮らすこと。
僕らは絶望的に、互いから切り離されている。