見ると辛いからとか

忌々しいからとか

新しく出会った男に失礼だからとか


そんな感情もなく

彼に関わるものを皆捨てた


ちょうど人生の区切りの気持ちもあり

家を本格的に片付けていたからでもあるが


いらないもの


と頭が判断した


また恋しくなることもあるかもしれないなら

迷いもするがそれもない事だし……


迷いもせずゴミ袋に入れ

口を縛る


包装紙、コンタクトの容器

肉のラップ、髪の毛、ほこり


私の中でそんなものと同じ価値になった


あれだけ大切に思っていたのに

彼ではなく物そのものに少しだけ心の中で詫びた