40年くらい前のキット、真空管プリアンプ LUX社のA505です。
10年くらい前に電解コンデンサが膨張していたので交換、電源系統の変更を行っていましたが、調子は良くなく放置していたものです。
ようやく重い腰を上げ修理にとりかかります。
10年くらい前には、
○ 電解コンデンサの交換、半固定ボリュームの交換
○ B電源最終段へFETリップルフィルターの追加
○ ヒーター電源の整流ダイオードが焼けていたため、場所を変え電解コンデンサを増量
○ スイッチのランプが断線していたので、全て発光ダイオードへ交換
しています。
しかし、左右の音量が大きく違い、このプリアンプは全段SRPPで負帰還がかかっていないのでレベル調整できるようになっていますが、調整範囲を大きく超えています。
プリント基板のハンダも見た目異常なし。回路は単純で抵抗値を計測しても異常ありません。これはカップリングコンデンサの不良と考えて、まず音量の小さな右側フラットアンプのカップリングコンデンサを取り外し計測しました。
すると大きく容量抜けしています。正常と思われる左側も取り外してみると、右側ほどではないものの容量抜けしています。
これはカップリングコンデンサ全て交換の必要性があると判断、ネット注文しました。残念ながら一番大きな容量のカップリングコンデンサのフィルムコンデンサは販売終了、他のものでがまんです。
底板を外しただけで交換作業をしたため、少し苦労しましたが無事交換終了!
交換前の基板
交換後の基板(電源系統の電解コンデンサも交換済みなので、オリジナルに比べると随分小さいです。)
無事、良い音で鳴っています。
このA505、放熱に問題があるといわれています。
この小さな筐体に真空管8本も詰め込まれ、通気のための穴はほぼありません。
また電源トランスもかなり発熱します。
説明書には放熱に注意するよう書いてありますが、天板をつけると内部はかなりの熱を持ちます。なので熱に弱いコンデンサは劣化するのではと思います。
ですから天板はつけずに写真のようにして当分は使用しようと思います。
時々オークションでこのプリアンプをみかけ、片チャンネルの音が小さいという節目がありますが、こうしたことが原因ではないかと思います。
昔のものも良い音はしますが、なかなか取り扱いは難しいです。