このまつ毛美容液は、

ご存じの通り私が10年以上前に世に出しました。

 

デカ目 dekame 

まつ毛 matuge

を逆から読んで、商品名にしました。

 

 

その当時、全く売れませんでした。

 

そこで、発売開始から数年たった時

マーケティングトルネードの佐藤先生に

「物は良いので、なんとか売れるようにお知恵をお貸しください。」

と相談したところ、

資料として、ビフォーアフターの写真を集めることにしました。

 

 

片方だけ塗ると

左右の目で差が出るほどの商品力でしたので

事例を集めて(広告で使えないけども)

資料として配りました。

 

実際これだけ生えますよと、取引先に見せて

徐々に取り扱い店を増やしていきました。

 

規模の小さい会社にとってはありがたい存在でしたが

それでも、今のように月に何億円の大ヒットはしなかったわけです。

 

ある時、不思議と

LPや出稿方針など全く変えていないのに

CPOが下がりだしたのです。

 

広告を何ら変えていないのにCPOが下がるのは

社員のアイデアや努力などではありません。

 

となると、TVに出た、誰かのブログで紹介された、

などの外部要因しか考えられません。

 

お客様の声を調べるとLDKという雑誌が

うちの商品を、好意的に書いてくださっていたのです。

 

ご存じの方も多いでしょうが、

雑誌LDKさんは、

他の美容雑誌や

有名なWEBサイト、美容商品のランキング媒体と違い

広告出稿の忖度が全く効きません。

 

 

それがまあ、化粧品メーカー泣かせでもあるんですが。

 

 

まあ、はっきり言いまして

他は、大体、お金がものをいう世界です。

 

特に、化粧品の売り上げランキングで有名なショップもある某コスメサイトは

「どれだけお金を落としてくれるか?」

で、ランキングが変わってきます。

 

1位になっても、

相手の持ってくる提案を断ったら

すぐにランキングが下がる。

 

そんな、本当にわかりやすい、

意地悪な会社です。

 

因果関係を尋ねると、すっとぼけますけどね。

 

でもね、これが現実です。

 

正確な数字はぼかしますけども、

300人の投稿数の多いモニターさんにこちらが用意したサンプルを配って、

そのうち最低50人に書かせます。だから、1500万円くれとか。

 

1投稿あたり、30万円。

効率悪すぎるから、それを断ると

ああそうですか。と、すぐにランキングが急落するようになる。

 

そうそう、そこの社長さん、

某超大手メーカーKとは

頻繁に銀座でめちゃくちゃ仲良しだと

たまたま知り合ったホステスさんに聞きました。

 

そのホステスさんから

「なんなら、つなぎましょうか?」

とも言われましたが、断りました。

 

乞食じゃないんだからそこまでしなくていいだろうと。

これはあくまでも、考え方の違いです。

 

これを「悪」だと糾弾しているのではないです。

 

株式公開しているとはいえ、

私企業ですから、自社が運営するランキングを

広告料や接待にて決めるのは好きにしたら良いと思いますけども、

まあ、それを信じてるユーザーさんは気の毒ですよね。

 

公立性を売りにしておいて実は全く違います。

 

ま、気づいている人も多いですけど。

 

LDKさんに掲載されてから

次第に、小売りのバイヤーさんから

どんどんお声がかかるようになり、

小売店への売り上げが鰻登りになりました。

 

そうすると、また雑誌などで取り上げられるようになりました。

 

さらに、コロナでマスク装着が必須となり、その2,3年、

化粧は、目元だけにお金をかけておけば済む時代が来ました。

 

マスクをするならファンデーションもしない人が増え、

口紅など要りませんから、目元に予算が回ってきたのです。

 

だからこそ、高い「まつ毛美容液」にお金を払ってもらえるようになったのです。

 

この2つが、売れた要因です。

 

つまり、ヒットしたのは偶然の産物であって、私の実力でも何でもないし、

社員の努力でも何でもない。

 

 

例外的に小売り店への短期間での展開は、営業社員がよく頑張ったと思います。

 

とはいえ、それは、バイヤーさんからの

引き合いがあってからこそです。

 

あの小売店の限られた棚に、営業力だけでは並べてもらえません。

 

無名で売れていないものは、物がよくても

社員がいくら努力しても全国規模で陳列してくれません。

 

他の店で売れているからこそ、「うちも」と、引き合いが来るのです。

 

それは、繰り返しになりますが、運がよかった。それだけです。

 

商品がよかったから売れたわけでしょという方もいますが

商品がよくても売れない事はよくあることです。

 

私が世に出した商品は、95パーセント良いものです。

(一部、平均よりちょっと上くらいのものもありますが。)

だから、アルマダスタイル、水橋保寿堂の古くからある商品は間違いありません。

 

それでも、ほとんどはエマーキットやエグータムほど売れませんでした。

 

全ての商品において、原価を気にせず効果を最大化させるため、

目いっぱい良いものを作りました。だから、だいたい高い。

 

だから、他の会社より打率はいいけども、それも

三浦が作ったんだから悪くはないだろうととりあえず買ってくださる

古くからの美容サロンの取引先に恵まれていたからです。

(それは、月に数百万円ぐらいのものです。)

 

逆に、他のメーカーのヒット商品。

物が悪くても売れています。

どことは言いませんが。

 

 

つまり、この化粧品メーカーというのは

人知尽くして、天命を待つ。

そんな業態です。

 

マーケティングをこねくり回して

売れるってもんでもないです。

 

 

それがわかっているからこそ、私は自分の実力を過信せず

売り上げが良い状態で会社を売却したのです。

 

なぜこういう話を書いたか。

 

 

なんでも、「MKよ」という元社員が

「エマーキットをヒットさせた秘密」などという

セミナーを開いているらしいと聞いたからです。

 

「MKよ?誰やそれ。」

20人ほどの社員規模で

(あー、あの日焼けしてたやつか。)

ぐらいの印象がうっすい社員でした。

 

その当時在籍していた社員に確認しましたところ

そもそも極、短期間しかいてなかったとのこと。

 

そんなやつが、

ヒットの秘密ってなセミナーを開いていると聞いて

大笑いしました。

 

 

これだけは、確実に言えるのは

Mきよという人間の在籍していた期間に

エマーキットやエグータムは、ヒットしておりませんでした。

 

彼が在籍中、これらの商品に後々売れるプランニングをしたとか

何かを仕込んだことも一切ありません。

 

彼の仕事ぶりとは全く関係なく商品はヒットしています。

 

 

私でさえ、また別の商品をヒットさせろと言われたら難しい。

これが現実です。

 

何もしていない人間が、昔縁のあった会社のヒット商品にのっかろうとする

 

そんな、人間の浅ましさを、皆さんに言いたくて

アメンバー限定ではない記事にしました。

 

 

 

https://www.youtube.com/results?search_query=egutamu

 

 

https://www.youtube.com/results?search_query=emaked