朝から晩まで釣りをするものの、たいしたものは釣れずそのまま夜釣りに突入

でも夜になってから釣れ出したのは、ゴンズイという毒を持つ魚ばかり。
だけどやっぱり釣りは楽しいな~

そして時間は午前0時過ぎ。
釣りをしながら静かな海を眺めていた私は、ふとあることに気がついた。
あれ・・・?
いまだに太鼓の音が聞こえる・・・
私「ねぇ、まだ太鼓の音が聞こえるよ・・・」
T「えっ・・・? あ、ホントだ!なんか怖いね。。」
いくらお祭りでも、深夜0時過ぎまで太鼓を叩くかしら?
この近くで叩いているのではないようで、もっと遠くのほうから潮風に乗って聞こえてくる。
音は風のない時は小さく、風が吹いてくると大きく・・・
昼間と違って真夜中に聞こえてくる太鼓の音は、なんだか無気味だ。
一度不気味だと感じると、月が映るきれいな海面さえも不気味に感じてしまう。。

二人とも太鼓の音が聞こえないように、必死で話題を探して喋り続けた。
会話が途切れると再び聞こえる太鼓の音と、ときどき跳ねる魚におったまげながら釣り糸を垂らす。
そして時間は午前2時。
1台のパトカーがやってきた。
1人のおまわりさんがパトカーから降りて、こちらに向かって暗闇を歩いてくるのが見える。
警「こんばんは~」
ニコニコした人の良さそうな、中年のおまわりさんだ。
警「喧嘩の通報があって来たんですけど、何かそんなような声など聞こえませんでしたか?」
T「そんな声は聞こえなかったですね~」
ちょうど良かった

ついでにこの太鼓の音のことを聞いちゃおう

私「聞こえるのは太鼓の音だけですよ。こんな時間までお祭りやってるんですか?」
警「太鼓の音?そんなの聞こえます?今も聞こえてますか?」
えっ、嘘でしょ?
聞こえてるじゃない。今もハッキリと!!
T「聞こえてますよ、ほら・・・ ね? 聞こえるでしょ?」
警「私、耳が遠くなったのかなぁ?ハハハ・・・」
えぇ~~~~~、そんなことない!
こんなシーンとした中でこんなにハッキリ聞こえるのに、聞こえないはずはない!
港内だから車も通らないし波の音もとても静か。
太鼓の音しか聞こえない。
警「どちらのほうから聞こえてきます?」
T「向こうのほうです」
Tちゃんが音の聞こえるほうへおまわりさんを連れて行った。
しばらくして二人は戻ってきたけれど、Tちゃんは私を見て渋い顔をしながら首を横に振る。
やっぱりおまわりさんには聞こえてないのだ。
おまわりさんも釣りが大好きなようで、しばらく釣りの話で盛り上がり、おまわりさんは帰って行った。
もう気になって仕方がない。。太鼓の音。。
誰か他にいれば聞けたんだけど、もう一組の釣り人も帰ってしまったので誰にも聞けない。
午前3時半。
ゴンズイさえも釣れなくなり、夜釣り終了~

太鼓の音は・・・
相変わらず聞こえる。空耳なんかじゃない。
何かの音が太鼓の音に聞こえる、という感じでもない。
やっぱり太鼓の音だ。
一定のリズムで、延々と続く。
音の正体を気にしつつも、Tちゃんの車の後部座席をベッド状にしてもらい寝ることにした。
車内にいると太鼓の音も聞こえない。
私はあっという間に深い眠りについた・・・
すでに外は明るい午前6時半。
私は物音で目が覚めた。
コンコン・・・
コンコンコン・・・
なんの音・・・?
コンコン・・・
車の周りには誰もいない。
でも誰かが車をノックしてる!
太鼓の音といい、なんなのよ~~~~!!(><)
そう思った瞬間

《つづく》