天気の良い日だった。
いつものジムに行く時間がなく、日焼け対策万全。
ジョギングに出かけた。
夜のジョギングとは違い、足元で気にするのは泥山だけである。
農道のコースを走り出した。
耕運機や田植え機が点々と泥の足跡をつける。
GWは田植え真っ盛りであり、あちこちに頭巾を被り腰を屈めて苗を植える老夫婦の姿が見える。
20分程だろうか。
走ったところで薄く敷かれた田の水面をあめんぼが泳いでいた。
どれくらいだろう、あめんぼをじっくり見たのは。
昔の記憶よりも随分小さく感じるのは気のせいか。
そのままゆっくりと歩むと脇道にクローバーの群生を見つけた。
弄るように四葉のクローバーを探し出すのだが、探そうと思うとなかなか見つからないもの。
家に持ち帰り家族に自慢する計画が潰れがっかりした。
そのとき、気づいてしまった。
息が詰まった。
今日はどうしてこの道を選んだのだろう。
この農道は亡き祖父と私達兄弟がサイクリングで何度と無く通った道。
一昨年の出来事から癒えない私にはこの道を選んだことを強く悔いるのが今の精一杯。
ガードレールと川辺の間に咲き乱れた菜の花を5束程、手で千切った。
祖父との思い出の風や空気がその菜の花に染み込んでいるように思えて仕方がなかった。
摘み取った菜の花は、すぐに私の体温で首を垂れてしまった。
ジョギングなどもうどうでも良かった。
すぐにでも家に戻り、祖父にこれを見せたかった。
急ぎ足で岐路へついた。
白い半月が南西の空にくっきりと浮かんでいた。
この町で育ったことを誇らしく思う。























