息子がいなくなって、
1ヶ月くらいが過ぎた頃から
常に音楽を耳にするようになった。
何もない空間がとにかく怖かった。
何かに身を委ねていないと、
深い闇に引き込まれて、
底から這い上がれなくなりそうだった。
音楽を聴いていると、
どこか違うところへ
意識を向けることができた。
きっと心を避難させていたんだろう。
ときに音楽を聴いて
悲しくなって涙が流れるけど、
それでもいいと思った。
私はそれでいいんだ…と
私が小学生くらいに、
父から教えてもらった音楽がある。
『Let it be』
誰もが知っている名曲。
子どもの頃は歌詞の意味もよく分かず、
なんとなく好きで聴いていた。
それから最近までの間は、
たまに番組やBGMで聴いたくらいで、
意思的に聴くことはなかった。
そして最近になって、
改めて歌詞の意味を知った。
…
Let it be, Let it be
なすがままに
Let it be, Let it be
ありのままに
Whisper words of whsdom
彼女はそう囁いたんだ
Let it be
身を委ねなさい
…
心がボロボロで苦しいとき
悲しくて涙が止まらないとき
光が見えなくて暗闇にいるとき
絶望で立ち上がれないとき
どうすればいいか分からないとき
何もかもどうでもいいと思うとき
そんなとき
何か大きなものに包まれて、
ほんの少しだけ、
身体が軽くなるような気がしたんだ…
