第40艦 ガンダム世界の「輸送艦・補給艦」パプア、パソグ、コロンブス | アニメに見る宇宙戦艦・宇宙艦隊の研究室

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このブログはモビルスーツよりも宇宙戦艦の方が気になる!好き!という「少数派」の方々にお送りします。

「船」は広く船の意味ですが、「艦」とは船の中でも特に軍の船を意味します。英語にはこのような表現はありません。戦艦はBattle Shipとなります。表意文字の漢字を使う日本語ならではの奥深さです。
ということで輸送船、補給船は民間の船になります。軍が徴用して使用していても軍艦ではありません。元々から軍の船である場合は輸送艦、補給艦となります。この場合、民間のそれとは異なる軍艦としての設計思想があり、また戦時に使用されることが前提になってますので、装甲が厚かったり、速度が速かったり、最低限の自艦防御兵器が備えられていたりします。
と、前置きはこのくらいにして、ガンダム 世界の輸送艦、補給艦をファーストガンダム 〜0083で見ていきます。ガンダムでは他作品では殆ど見られないこの二艦種がきちんと出て来ます。実は戦闘の結果は補給で決まると言えるくらい、補給は重要です。戦艦単独で大マゼラン星雲まで往復するヤマトなどはその辺は無視しているように見えます。ガンダム 作品がミリタリー物として高い評価を得ているのは、この二艦種の度々の登場にも裏打ちされています。
輸送艦と補給艦は理解がごっちゃになりがちです。しかし現代海軍でもそうですが、似てますが異なる役割を持っています。どちらも戦闘部隊の支援艦ですが、輸送艦は物資の輸送や上陸部隊の搬送など後方支援が主な任務になります。一方補給艦は比較的前線近くでもやって来て戦闘艦に燃料などを洋上補給したりするのが任務です。この役割は宇宙艦艇でも同じかと思います。しかしガンダム世界でさえも、どちらの艦種名が付いていても両方の任務をこなして、やや曖昧になっています。

ジオン軍はまずパプア補給艦です。ムサイ級以前、チベ級と同じ頃の就航で一年戦争の頃には既に若干老朽化しています。

パプア級補給艦
  全長145.6m
シャアの軽巡洋艦ムサイに接近

補給作業開始


こちらはサンダーボルト版でムーア(サイド4)宙域でのパプア補給艦

戦闘爆撃機の母艦機能を担っています

0083で登場したアクシズ艦隊にもパプア級補給艦が使用されている

パプア補給艦の後継艦にあたるのがパソグ輸送艦です。パプア補給艦よりはかなり知名度が下がりますが、画面の端々での登場頻度では遥かに勝ります。

パソグ級輸送艦
  全長260m

ジオン本国でのソーラシステム建設のための資材運搬作業中のパソグ級輸送艦

同作業中、画面にはパプア級補給艦も見える

ティベ級重巡洋艦に接舷するパソグ級輸送艦
その対比から全長260mもあるように見えない?

0083で登場したアクシズ艦隊はパソグ級輸送艦も使用


一方、地球連邦軍はコロンブス輸送艦の一艦種です。
しかし改装空母仕様、MS母艦としての使用、0083版ではコロンブス改、ソーラシステムコントロール艦としての登場もあり各種バリエーション豊かです。輸送は勿論、補給任務も行なってます。

コロンブス級輸送艦
  全長 145m
コロンブス改級輸送艦
  エンジンが強化されている

ア・バオア・クーでサラミスとペアでMS母艦機能を果たしているコロンブス



推進剤切れとなった艦隊への補給(0083版)

ソーラシステムIIのコントロール艦(0083版)


こちらはサンダーボルト版でムーア(サイド4)宙域でのコロンブス

暗礁宙域と呼ばれる空間…宇宙空間に稲妻?

MS母艦の機能を担っている

先述しましたが、コロンブス、パプア、パソグの活躍は、ガンダム世界が現実的ミリタリー感を醸し出していることに貢献しています。