埼玉上尾のライブハウス

「プラスイレブン」のマスター鈴木功氏が

2025年1月20日に急逝されたと

店のママから知らせがあった。

 

急なことで動揺している。

Facebookでも皆からの困惑と悲しみの

メッセージが後を絶たない。

 

マスターから与えてもらったものが

大きくて言い表しにくい。

それでも今の気持ちを記したい。

 

おおよそ10年弱前、

グランドピアノがあるライブハウスが

上尾にできたと知った時は胸が高鳴った。

 

知人の方が私の名前を出してくださったり、

そのうち数人で遊びに伺ったりして

間も無く、出演をさせて貰えるようになった。

 

プラスイレブンは、都内を始め

国内外で活躍するミュージシャンを招き入れ

店主の感性を大事に"良いものを伝えたい"

という姿勢を貫く場所だった。

 

「うちは出演者に恵まれている」と

しみじみと言っていた。

ママの作る手料理がまた秀逸で、

上尾という土地でご夫婦で奮闘しておられた。

 

そう頻繁には行けなかったけれど

本来なら交通費と時間をかけなくては

聴けないようなライブを近隣で聴けるのは

有り難かった。

 

ロックや弾き方りのミュージシャンも

多数出演していて、オープンマイクの日も設け

訪れるミュージシャン達を迎えていた。

 

「地元のミュージシャンも応援したい」と

私も様々な形態で出演をさせて貰い

そこで得たものは大きかった。

 

ソロピアノの探求の場を貰えたことも

とても貴重なことだった。

 

やがて私が病にふし音沙汰をなくしたが、

数年のブランクののち再活動を試み始め

久々に訪れたら笑顔で迎え入れてくれた。

 

出演の再開に至った時は

本当に嬉しかった。

 

マスターは、頑なでありながら

お茶目で悪戯っ子的なところがあり

よくからかわれた。

 

彼の撮る写真が "写りが悪い”と、

自分の見てくれを棚に上げブーたれたけど。

どんな写りが悪くてもいいから

また撮って貰いたい。

 

「うちもいつまであるか分からないからね」

とも言っていた。

 

いつか、もっと腕を上げて

うんと良いミュージシャンになって

恩返しをしたいと思ってたけど

間に合わなかった。

 

マスター、お疲れ様でした。

信念を貫き通した姿勢に敬服し

心から感謝いたします。

どうか安らかにお眠りください。