人が死ぬ間際、

一番最後まで残る感覚。


それは聴覚だといわれています。


音、音楽は振動であり、
人は胎内にいる時から
この世を旅立つときまで
音の中で生きています。


遥か遠い古代から、
神への祈り、呪術、
儀式や祭りごとにおいて


音楽は、一定の振動により

人をトランス状態へ導いたり、

魂を呼び覚ますのに

役立ってきました。


音楽を聞いた瞬間に
「ふ」と
過去の自分とリンクして
当時の感情が蘇り、


胸が熱くなったり、

切なくなったり、
涙が出そうになったことが
ないでしょうか。


それは音楽が一瞬にして
時空を超えて
心や魂を揺さぶったから
ではないでしょうか。


時には、音楽によって
忌々しい過去や
悲しい気持ちを
呼び起こされたり、


不快な気持ちや恐怖心を
感じることもあるでしょう。


それくらい音や音楽が

人々に与える影響は

強いのだと思います。



私は、今まで生きてきて
幼いころから常に
音楽に癒され助けられてきた
という認識があります。


音楽を聞くことによって、
歌ったり奏でることによって
楽しさ、喜び、感動を味わい、


音楽で表現することが
辛く苦しい時を乗り越えるのに
役に立っていたようなのです。


音楽を通して

自分がこの世に存在することの

確認をしてきたようにも思えます。

これはこの先も変わらないでしょう。


ただ、音楽を生業にすると決めて
活動するうちに、いつしか自分が


「人々の魂が喜び解放されるような

  音楽を届けることができたら」


と思うようになりました。
魂という言葉が大袈裟ならば、


「心から楽しい。

 今生きていることが幸せ」


と感じてもらえるような

空間をつくれたらと。


時には人が忘れていた

大事な何かを

「ふ」と思い出したり


溜めていた感情を

「ふぁ~」と吐き出せるような

空間を提供できたらと。


自分は音楽の一媒体として
音楽の行きたい流れを汲み、

共演者と、又はソロで

音を紡いでいく。


それが私にとっての喜びであり、

それを聞く人々の喜びになったら、と。


100%それが出来るようになるには

ずっとずっと修業が必要だけれど。


続けられる限りは

この気持ちを大事に、

音を紡いでいきたいのです。



それは私の恩返しでもあります。

音楽を奏でる機会を授けてくれた

すべてのモノへ対しての。


あっき