イビキのツボ
イビキがすごい人がいたので、イビキのツボを探して見た。
額の上の『上星』と云うツボが良いらしいとの鍼灸師のサイトを見つけた。
説明を読んで見ると、
『つぼへの刺激は、タバコで・・』
額に根性焼きはしたくない。
よく読んで見ると、
『タバコや灸などで暖かい刺激を1日20回前後程与える』
鍼灸師がわざわざ、『タバコ』で刺激を与えなくても良いのでは・・
引き続き、『イビキのツボ』を探して見ると、『上星』について書いているサイトが多い。
イビキに『上星』のツボが相当の効果がありそう。
各サイトの記述を読んで見ると、
読んだサイト全てで『タバコ』『灸』『暖かい刺激』『1日20回前後』の単語の入った(順番や助詞が異なるだけの)説明文。
情報元が何処かは判らない(探す気になれない)が、ほとんどそこのコピーと思われる。
コピー・真似ることが悪いとは云えないが、最初にそのことに気づいた人に敬意を払うことは、人として、当たり前のことでないか?
鍼灸の元である、東洋医学(中医学)は、中国で生まれたのだから、知的財産権の概念がないことは判らなくもないが、あたかも、自分で言い出した如く記述するのではなく、最低 情報元の明記をすることが、人として必要なことでではなか?
又、説明文にしてに、それなりの工夫が出来るのではないか?
本当に自分で行っているのであれば、刺激でどの様な感覚が受ければよいのかを記述できるはず。
施術を受けた時の感覚を説明できないならば、施術者はその施術を行う事はあっても、受けることをしてない事になる。
そんな無責任な施術者の施術は受けたくない。
鍼施術での死亡事故(2010/1/15)
鍼灸業界に身を置く者として、非常に気に成っています。
1/9にニュースが流れて、心配になり、
1/15にニュースを聞いて、「鍼灸」ではなく「柔整」かと怒りを覚え、
じっくり考えると、その記事内容・鍼灸業界の対応に心配になります。
正直、この話題で記事を書くべきか悩みましたが、見ている人が少ない事だし、自分の考えをまとめておきたかったので、記述します。
まずは、記事
(リンクは直ぐに切れる可能性が高いので、張りません)
2010年1月9日産経新聞
大阪府池田市内の鍼灸(しんきゅう)院で昨年12月、患者の女性=当時(54)=がはり治療を受けた直後に容体が急変し、翌日に死亡していたことが9日、池田署への取材で分かった。池田署は業務上過失致死容疑で鍼灸院を家宅捜索するとともに関係者から事情を聴き、死亡と治療との因果関係を調べている。
池田署によると、女性は肩こりのために定期的に鍼灸院に通院し、はり治療を受けていた。昨年12月15日午前、女性が鍼灸院ではり治療を受けた後、院内のトイレで倒れているのが見つかった。女性は病院に運ばれたが、翌日に死亡したという。
司法解剖の結果、女性の死因は呼吸不全などによる低酸素脳症の可能性が高いという。治療ではりが女性の体内に深く入り、肺周辺が傷付けられたことで呼吸不全につながった可能性もあるといい、池田署が詳しく調べている。
2010年1月16日 産経新聞
大阪府池田市内の鍼灸(しんきゅう)院で昨年12月、患者の女性=当時(54)=がはり治療を受けた直後に死亡した事件で、はり治療の資格がない20代の男性柔道整復師が治療していたことが15日、府警への取材で分かった。捜査1課は、業務上過失致死容疑などで柔道整復師や勤務先の鍼灸院から事情を聴いている。
府警によると、柔道整復師は当時、はり治療の資格を取るため、医療専門学校に通学。柔道整復師は「女性にこれまで数回はりを刺した」と認め、鍼灸院の院長は「柔道整復師がはり治療の免許を持っていないのは知っていたが、はり治療をしていたことは知らなかった」と話しているという。
鍼灸院
TVで見る限り、鍼灸院ではなく、鍼灸整骨院
「鍼灸院」と「鍼灸整骨院」は大きく異なります。
「鍼灸院」は施術として、鍼灸を行いますが、鍼灸整骨院は鍼灸も行う「整骨院」で、主な施術は、柔道整体術。
簡単に言えば、「鍼灸院」は、はり師・きゅう師の資格者が施術しますが、「整骨院」は柔道整体師が施術します。
「鍼灸整骨院」では、鍼灸の治療を行うとしても、『ついで』でしかないとしか言えない。
「柔道整体師」がなぜ、問題かといえば、以前より、保険の不正請求を繰り返している手技施術者である為。
露骨に言えば、不正をなんとも思わない人たちがいる(少なくとも改善されていない)施術業界がまたまた引き起こした不正行為と言わざるを得ない。
無免許学生の施術
鍼灸を学んでいた専門学生らしい。
問題は、多くの鍼灸師が、無免許学生に鍼灸施術をさせていること。
しかも、『鍼灸師が監督していれば、問題ない』と、誤解している点にあります。
鍼灸整骨院に限らず、鍼灸院でも、院長を含め多くに鍼灸師がその様に勘違いしている様子(情けない)。
これは、鍼灸の教育機関が、鍼灸の法規をまじめに教えず(つまりその法規の意義・意味を教えず)、鍼灸推進団体(XX鍼灸師協会など)が、鍼灸師に教育していない点にあると思います。
鍼灸師の中には、『人に鍼を打てるようになってから、資格取得が始まる』と云う発言もある様ですが、これは、『車の免許試験を受ける前に、無免許で公道に出ろ』と言っている様なもので、思考次元が異なり過ぎて、説明する気のもならない(元から話す気はないですが;喧嘩になるので)。
院長の発言
「はり治療をしていたことは知らなかった」
ネットでも、多くの人から、責任逃れの発言と叩かれている様ですが、それ以前として、院長のモラルとして、部下の行為をほったらかしにしていることを認めている点、つまり、その組織の最高責任者として言ってはいけないことを、発言していることにあります。
最近の問題を起こしている責任者に多いことですが、経営者・責任者としては、情けない限りです。
院長も最初は、まじめに責任を持って施術・経営を行っていたのでしょうが、多分「鍼灸整骨院」として、モラルの低い行為を続ける内、正常な感覚がなくなっていったのでしょう。
最も大きな問題は、死亡した患者はもちろん、今通院している患者のことを考えていない点にあり、患者の方々がかわいそうです。
過去からの影響
鍼灸が胡散臭く思われる原因として、当たり前ですが、過去からの経緯を考えておかねばなりません。
具体的に云えば、以下にまとめられています。
1)漢方医学の問題(日本の医療初期段階)での問題
2)GHQの影響
3)東洋医学の問題
各々について、説明します。
1)漢方医学の問題(日本の医療初期段階)での問題
日本の東洋医学は、元々漢方薬術でした。
【漢方は中国の漢時代の医学 対比は 蘭方(オランダ≒ヨーロッパの方)】
当時、漢から伝えられていた専門書は数冊のみらしく、日本では、いわゆる「ハウツー本」として訳され広まった。(日本人の性格が出ているが、ハウツー本として広まったので、学問とするには、はじめから無理があった?)
・生薬・漢方薬が中心で、鍼灸治療は補助的なものであった
・原理追求も応用もなく、漢方薬知識と使い方以外の追求はほとんどなかった
幕末から、西洋化が進む際、医学も蘭方中心となり、漢方は鍼灸を含め忘れられた(民間療法になった)・・・
現在でも、東洋医学(?)の専門学校はあるが、漢方(漢方薬)については、あまり教えられていない
又、漢方医と云う医師は、自称以外存在しない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%A2%E6%96%B9%E5%8C%BB%E5%AD%A6 を参照
2)GHQの影響
http://www.harikyu.or.jp/about/kinenshi50/ayumi01.html を参照
GHQによる鍼灸禁止の大きな理由は、
1. 消毒設備と意識に欠け、不衛生である。
2. 科学的根拠がない。
3. 鍼をしたり灸をするのは野蛮な行為。
要するに、GHQから睨まれました。
しかしながらが、上の理由は、今現在でも、ほとんどの人が鍼灸に感じている事柄です。
多くの人の努力で、鍼灸禁止ではなくなりましたが、鍼灸業界はまだ『戦後』から抜け出していません。
上記のGHQの鍼灸禁止に対応した日本鍼灸師会の基本方針は、
1. 社団法人としての鍼灸師の強固な団結
2. 身分法の改正
3. 教育機関の整備
4. 保険取扱いの獲得
5. 鍼灸の科学化
の5項目を掲げて、それなりの努力を行なっていますが、今現在も尾を引いています。
にもかかわらず、鍼灸団体、並びに教育機関は、GHQの鍼灸禁止に関して、ほとんど触れていません。
触れても、「当時は大変だった」「xx先生の努力でxxになった」等であり、今現在も多くの人が同様に感じている、「GHQの鍼灸禁止理由」を訂正しようと云った動きはほとんど見当たりません。
どこかの国の政治家と同じく、一般の感覚とずれているとしかいい様がありません。
3)東洋医学の問題
★鍼灸業界はよく使用していますが、正式には『西洋医学』と呼ばれる区分がありません。
一般に呼ばれている『現代医学』全般のことですが、東洋に対比して、西洋としています。
西洋医学は、病気を治すことを目的としています。
ある意味、『患者より、治療・病気優先』です。
(厚○労○省の、患者・治療より、責任回避・自己保身 優先 よりはましですが)
東洋医学は、治療より病状改善が目的です。
(ペインクリニックでは、「痛みをとる」目的で鍼治療が重視されています。
この為、原因追求がおろそかになる傾向があり、ハウツーが重要視されすぎています。
例えば、偽薬(placebo)に関して、西洋医学では否定的ですが、東洋医学では、『偽薬であれなんであれ、直ることが最良』の考え方もあります。
西洋・東洋のどちらが正しいかではなく、この様な考え方があることも、理解する必要があります。
中国・欧米では、東洋医学(特に鍼灸)に関して、ある程度『科学的』追求がなられていますが、日本ではまだまだ事例確認や統計処理が中心です。