畑へ行ったら
雨が
降り始めました。
草取りしていた私は、
身体が濡れても
止められませんでした。
やがて
雷まで鳴り始めた時、
仕方なく
草取りを止めました。
雨は
アスファルトを
強く打ち付けました。
雷は
ゴロゴロと鳴りました。
風は
強く吹いていました。
畑に立ちながら、
思いました。
「なんて強い野菜達だろう。
なんて強い花だろう。」
風になぎ倒されても
また
そこから
空へ向かって
上へ上へと
背を伸ばしていきます。
だから、
畑から採れる野菜は
“優しい味”がするんだ、と
思いました。
雨や風にも負けず
ひたすら
命を生きようとする野菜が
美味しくないはずはありません。
帰り道、
アスファルトを打ち返す雨を
見ていたら、
綺麗な模様を描いていました。
一粒、一粒の雨は
アスファルトを打ちながら
美しいメロディを奏で、
やがて
一粒、一粒の雨は集まり
一筋の流れになっていくと、
メロディは変わるのです。
メロディと共に
水が創る芸術美は
家にいたら
絶対に
観えないものでした。
身体全身は
ぐっしょり濡れながらも、
私が
周りを見回していたら、
一匹のツバメが
低空飛行で
虫を求めて
飛んでいました。
「子どものために
エサを捕っているのかな。」
全身濡れながら
必死になって
虫を求める姿に
親が子どもを想う美しさが
観えました。
濡れながら
“幸せ”だけが
観えていました。
傘も差さずに
大雨の中に
濡れながら
独り歩く姿に
車に乗った人は
振り返っていましたが...
「時には
雨に濡れるのも
気持ちいいな。」
いつもの景色が
別の世界に観えた
素晴らしい雨の日と
なったのでした。
熊本県合志市野々島
なぎの木整体
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