2021年4月から
3ヶ月間の派遣期間を終えた私は
まだまだ
自分に納得していませんでした。
私は
間髪入れず
2021年7月から9月まで
2ヶ月半の
派遣に行くことに決めました。
トマトの接ぎ木作業でした。
病気に強くて
美味しいトマト苗を育てるために
台木は病気に強い苗を
穂木は品種改良された苗を
それぞれ
カミソリで同じ角度に削ぎ
接いでいく作業でした。
作業は
正確さだけではなく
速さも求められました。
何十人いた派遣社員の中には
速さや技術が
会社の求めるものに満たないとして
1週間で辞めさせられる方が
何人かいました。
働くって何だろう。
目の前で起こる出来事に
この社会の
いろんな疑問が
次々に沸いてきました。
接ぎ木作業も
慣れてきたら
速さもついてきて
私は
ナス選果場のベルトコンベアの騒音ではなく
静かな接ぎ木作業部屋で
自分の内側を
ずっと観ていました。
すると
頭の中は
過去の ことを思い出して
「あの人からこんなことされた」と
思った瞬間に
“怒り・悲しみ・やり返したい”など
感情が沸いてくるのです。
逆に
未来のことを思って
「未来に何しているんだろうか」と
思った瞬間に
不安や焦りや心配などが
沸いてくるのです。
いっときでも
頭の中のおしゃべりは
終わることも無く
私は
【本当の私】を
必死になって
見つめようとするのですが、
見つめようとすればするほど
今度は
接ぎ木作業場の
クーラーの音や
パートや社員さんの話し声が
耳について
私は
【本当の私】を
感じることができなかったのです。
思考や感情によって
頭や心がうごめき、
身体の五感は
外の世界の
音を聞いたり(聴覚)
目は他者の動きを気にしたり(視覚)
お菓子のおすそ分けを戴いたり(味覚)
昼休みにはお弁当の匂いがしたり(嗅覚)
常に手元は苗木に触れたり(触覚)する中
私は
手探りで
必死になって
【本当の私】を
探し求めていました。
探し求める、とは
【本当の私】を実感する、という
意味を示しています。
これ以上
外の世界で働いていても
私が
求めている答えは
見つからない。
私は
約半年の派遣労働から
そう結論を出し、
家にいて
子育てや家事をしながら
私は
【本当の私】として
自分自身を完成させる、と
決めました。
未来なんて
分からない...
3人の子どももいるけど、
私は
自分自身を完成させる!!
そう決めた時、
当時
夜間警備の仕事をしていた夫に
一級建築士の資格を持っていたことから
正社員としての話が
やって来たのです。
それは
不思議としか言いようのない
展開でした。
しかし
私の状況は
変わりませんでした。
相変わらず
クライアントさんは
来られなかったし
“本当の私”でさえも
実感できない日々は
続いていました。
続いていましたが、
私は
徹底して
想いを正し
言葉を正し
行いを正した...
それから
明想をやっていったのです。
やるべき家事や
やるべき育児は
きちんと行い、
やると決めた以上は
一切の自分の甘えを許さず
家事や育児をやった上で
できる限り
明想の時間を取りました。
寝る時間も
以前ならば
夜9時には寝て
朝は
どれだけでも
寝ていたい私が...
夜は9時には寝たとしても
朝3時、4時には
起きる努力を重ねて
眠たくても
必死になって
明想をやっていったのです。
始めは
雑念だらけで
派遣労働していたときと
あまり
変わりませんでした。
だけど
諦めませんでした。
どれくらい
続けたのか
その期間は
もう分かりませんが、
思考も感情も止み
静かな空間の中で
五感でもない
でも
確実に感じる“何か”が
確かに在ったのです。
私は
この感覚を
大切に大切に
していきました。
そして
ある時
ハッキリ
分かったのです。
世界で1番うるさい場所も
世界で1番静かな場所も
自分の中に在ったことを。
2018年4月末に教師を辞め
今
2023年1月となり
気付けば
約5年の月日が
過ぎようとしていて...
確かに
私には
肩書きなんて
何一つ無いし、
今も
畑作業や
家事や育児を中心にした生活ですが、
【自分とは何か】の答えを
感じ始めて
私は
生まれてから
やっと
本当の幸せの意味を
噛みしめています。
熊本県合志市野々島
なぎの木整体
MOE