分身した自分とぶつかる!? | 不動明眞

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AKIMASA FUDO AKIRA

量子論に関する重要な実験のうち、ヤングの実験

は特に量子論を理解するうえで欠かせないものです。

 

実験を行ったイギリス人のトーマスヤング

(1773~1829)は物理学のほかに医学や

言語学でも功績を残した多才な人でした。

 

ヤング自身は量子論が確立するよりもずっと

以前に生きた人で、ナポレオンの時代にまで遡ります

実験が行われたのは、1804年でアインシュタインが

光量子仮説を発表した1905年から100年以上前になります。

 

実験の内容を簡単に説明すると、ふたつの縦長のスリット

から光を通すと、その先に置いた板に縦の縞が何本も

現われるというものです。

 

ヤングが実験を行ったときも、光の正体について

議論がされていました。

この実験によって当時は光は波動であることが

確認されたのです。

 

ではなぜ、2本のスリットを通って縞模様に

なったことが、光が波動である証拠となったのか・・・。

波には、山の部分と谷の部分があり、

二つの波がぶつかったとき、

山の部分と山の部分が出会えば、

より高い山になり、谷の部分と谷の部分がぶつかれば

より低い谷になります。

また、山の部分と谷の部分がぶつかったときは

お互いを打ち消しあって、波が平坦になります

 

これは、「干渉」という波がもつ性質の一つです。

ヤングの実験でスクリーンに現れた縦縞の光の

線は、光と光が干渉した結果だという説明ができるのです

もし、光が粒子であったら、2本のスリットを通しても

縦縞模様は現れず、スクリーンに映しだされるのは

2本の線になるはずです。

 

この実験を、光子で試してみます。

光子とはアインシュタインの光量子仮説の

 

粒子の性質をもつ光の最小単位です。

 

現代のテクノロジーでは、光子を一個ずつ飛ばして

スリットを通すことも可能です。

すると、今度は粒ですからスクリーンに縞模様なんて

できないはずですね?

光子を一個ずつ飛ばして、それを何十回、何百回と

くり返していきます。

スクリーンは写真のフィルムのように光子によって

感光するとします。

結果はどうなるかというと、なんと、

スクリーンに縞模様が現われるのです。

「二つの波がぶつかって高まったり、打ち消しあったり

する」のが干渉なのですから、粒子の性質をもった、

光子を一個ずつ飛ばしたとしても、

干渉は起こらないはずです。なのに、

実際は干渉が、起こったような縞模様ができるのです。

 

じつは1個の光子は自分自身と干渉したのです。

これが、量子論の不思議な現象のひとつ、

「重ね合わせ」「というものです。

ちなみに光子ではなく電子で実験を行っても

同じように干渉が起きます。

 

「重ね合わせ」とは二つの状態が、同時に存在すること

です。SFじみた表現をすると、分身の術を使った

とでもいいいましょうか。

ちなみに、この光子や電子を1個1個飛ばすというのは

当然ヤングの時代ではできませんので、

古典的な思考実験として行われていたものでした

 

この二重スリット実験を始めて実際に行ったのは

1961年、ドイツのテュービンゲン大学のクラウス・イェンソンです。

1個ずつの電子を用いての実験は1974年にイタリア、

ミラノ大学でピエール・ジョルジョ・メルリらに

よって行われました。

 

これから、解かる霊的な考察は、

霊的光の強い人間が一人存在すれば、

それが、多くの人に干渉し、

多くの人を霊的に目覚めさせることができます。

それと同時に、霊的光の強い人間が一人いれば

世界の均衡は元に戻り、多くの悪意に満ちた

人間をたったひとりで屈服させるだけの力を持つことは

おおいにあるのです。