はるか宇宙の彼方から
ぼくはやってきた
はるか宇宙の彼方から
きみはやってきた
やあ、やっと逢えたね!
どう?今回の旅は?
へぇ~、そんなに大変だったの?
で、なに?今回の目的は?
ああそうなの!ぼくと同じじゃん!
この星はずいぶん変わってるみたいだね。
あのお金って何だろうね?
世界がそれを中心に動いているよね。
あの権力者って人たちは何だろうね。
いつも自分のことしか考えてないよね。
それに世の中を支配しているこのシステム。
ずいぶん変わってるよね。
みんなその中に閉じ込められてる。
みんなその中でがんじがらめになっている。
何でそれしか見えないのだろうね?
宇宙から見たら、すごくちっぽけで特殊なシステムなのに。
まあ、はるか昔にこのシステムを体験したけどね。
でもさ、なんか変だと思ってる人も最近けっこう増えてるよね。
だってもうこのシステムも限界にきているみたいだし。
あの人たちももう管理に疲れてきたんじゃない?
そうそうマトリックスって映画、そこらへんうまくえがいてたよね。
ま、よく続いたもんだよ。
数千年?いや数万年かな・・・。
で、どうしてこんな大変な時期にここに来たの?
ああ、そう。
ずっと遠くから眺めていたのに、じれったくなったの。
ああ、そう。
見てられなくなったんだね?
う~ん、わかるよ、その気持。
ぼくもなんかさあ、自分になにができるかわかんないけど・・・
なんか面白そうだし、気軽な気持で来ちゃったんだけどね。
でもこの星の人たちってほんとユニークみたい。
自分のために、人を殺しちゃう人もいるのに
人のために、自分を殺しちゃう人もいるんだよね。
それに肉体がすべてと思っているのが不思議だよね。
ぼくもここに来るのにすごく大変だったし、
こんな窮屈なものだと思わなかったよ。
でも不思議とだんだん慣れちゃったけどね。
ぼくもずいぶん長い間眠っていたみたいだけどさ、
やっと最近目覚めかけてきたみたいだよ。
でもあまりにも長い間、この星でゲームしてたから、
目覚め方を思い出すのに苦労しちゃってるよ。
なかなか頑丈なマトリックスだからね。
ああ君もそうなんだ。
そっかそっか・・・。
でももうそろそろって気がするな。
ああ君もそう思う?
だってさあ、この星の主の、ああなんかガイアさんって呼ばれてるみたいだけど、
そのガイアさんが、そろそろ真剣にやばいと思ったのか知らないけど、
本気で動き出したんだよね。
やっぱり郷に行ったら郷に従えっていう宇宙の決まりには従わなくっちゃ、
宇宙の大地主さんに怒られちゃうから、
この星に来たからにはついていかなきゃって思うんだよね。
まあ、故郷に帰るってのも一理あるけど、
そこにはいつでも帰れるわけだし、もう少しこの星にいてみようって思うんだよね。
ああ君もそう思う?
ああ、よかった~!
そうだよ、やっとまた逢えたんだからさあ~!
これから忙しくなるんだから、みんないてよ~。
でもさもったいないと思わない?
自然がこんなに美しい星なんて、ぼくの旅してきた星の中でも
ベスト3にはいるくらいなのに。
でもしょうがないか・・・。
争い慣れしちゃっているんだよね。
ぼくもここに来て初めて覚えたよ、恐怖ってやつ・・・。
よっぽど恐怖が好きみたいね。ここの人たち。
ああなんか長くなっちゃったよ。
ただちょっと逢えてうれしかっただけなんだけど
ついついね!
でももうすぐだね。
トビラは開いているみたいだから。
そうしたらきっと、気づくんじゃないかな~。
ここが愛の星だってことを。
ぼくのご主人さんも早く気づいてくれないかな~。
君のご主人さんは、もうその門をくぐったって?
おめでとう~!
あ、君のご主人は?
今、門の前?イエ~イ、もうすぐじゃん!!
OK~!みんなまたあとで逢おうね~!
ああ忙しい忙しい~
・・・・・・・・・・・
え?だれ?
そういえば今夜はふたご座流星群がピークらしい・・・