❤️ホームレスは語る③ | 賭の虫

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◇あくまでオケラさんの日記帳!内容も表現も自由!言いたい放題、書きたい放題!誰に遠慮することも無く、書きっぱなし言いぱなし!こんなにも人様の事を考えない【自由】過ぎるブログは大嫌いっていう人は 無理してアクセスして来なくて結構です!

ヤギさんの『ちょっとお話し聞かせてもらえませんか?』(つづき)









『お金も受け取っていただけたことですし、どのようなお話しでも良いので宜しくお願いします。ここは競艇場の目の前ですし、もし差し障りがなければギャンブルのお話しでも何でもかまいませんので?』



『あぁ~、かまわね~よ!なんでも話してやるよ!俺はギャンブルと結婚したようなもんだからな!』


ヤギさん『そうなんですかぁ!ありがとうございま~す!では早速、インタビューをさせていただきま~す!では毎日、どのような物をお召し上がりになっているのでしょうか?』

江戸川乞食『どのような物っていうほどの物じゃね~けどよ!魚だよ!この川は何でも釣れるからよ!鮒でも鯉でも鯰でも、鯔もいるよ!
何でもいるからよ!たまには鰻や鱸だって釣れるからな!』

ヤギさん『そうなんですかぁ?すごいですね~!
ボクなんか鰻や鮪なんて、競艇で大儲けした時くらいしか口に出来ませんよ!』

江戸川乞食『お兄さん競艇やるの?』

ヤギさん『ええ、まぁ!素人みたいなもんですよ!』

江戸川乞食『オレは江戸川専門だったからよ!目の前にあんだろ!江戸川競艇場が!』

ヤギさん『ハイ!ございますね~!船堀の小松川と言えば江戸川競艇場ですからね!』

江戸川乞食『オレなんかよ!船堀の駅前交番のお巡りと友達だからよ!しょっちゅうカネ借りてっから?』

ヤギさん『へ~っ!そうなんですか~!
すごいじゃないですかぁ~!』

江戸川乞食『オレは江戸川の事なら何でも知ってっからよ!何でも聞いてくれよ!レースが始まる前から誰が来るか分かってっからよ!なにしろオレは、江戸川で食ってたからな!』

ヤギさん『へ~っ!すごいじゃないですかぁ~!ボクなんかそんな生活に憧れちゃいますよ!競艇で食べてたなんて!ボクなんて、行けば毎回オケラ街道ですから!何買っても全然当たらないんですよ~!これからは師匠と呼ばせて下さい!
ねっ、師匠!師匠!』

江戸川乞食『やめろよ師匠なんて!
こっぱずかしいじゃね~か!
オレの事そんなに持ち上げたって、何もでねーぞ!今朝中川で釣った鯉でも、あらいにして喰うか?』

ヤギさん『いえいえお気持ちは嬉しいのですが、最近お腹を切ったばかりですから?はい。
お気持ちだけ頂いてご遠慮しておきます!』

江戸川乞食『ここの鯉はうめ~ぞ~!荒波の中泳いでるから身がしまってるしよ!生き血を飲めば腹痛なんて一発で治っちまうぞ~!
だけどあの時は、おいしい思いしたな~!おかげで美味い寿司を鱈腹喰えたしな~!競艇やってなかったら一生喰えなかったからな~!』
    
ヤギさん『師匠~!そっ、そんなにおいしい思いをしたのですか~?
師匠!是非その時の話しをお聞かせ願いませんか~?師匠!』

江戸川乞食『本当にあの日はよ
、ついてたんだよな~!もう十数年くらい前になるかな!
ホントにおいしかったな~!あのレースはよ~!ホント競艇やってなかったら、あんな美味いもん鱈腹吐くほど喰えなかったもんな~!
競艇やってたおかげで、あんなに美味いご馳走を鱈腹喰う事が出来たんだからな~!競艇やってて本当に良かったよ!競艇で大儲けしてなかったら、未だに喰えてね~からなぁ?』

ヤギさん『師匠!勿体ぶらないで早くその話しを聞かせて下さいよ~!師匠!ねっ!師匠!』

江戸川乞食『忘れもしね~、あれはたしか7月の準優日だったっけな~!朝から蒸し暑い日だったな~!俺は前の日から何にも喰ってなくてよ~!腹ペコだったけな~!朝からマズい無料のお茶ばかり飲んで、空腹を紛らしてたんだよな~!
懐かしいな~!もうあれから十数年も経つのか?時代の流れは早いな~!
オレはいったい幾つになったんだ~
あの日はよ~!朝から寿司が喰いたかったんだよな~!腹一杯よ~!なにしろ夢にまで出てたからな~!
どんだけ喰いたかったんだかな~?オレがガキの頃はよ~!
オレの誕生日と言えば寿司!
クリスマスもケーキじゃなくて寿司だったからな~!
今思えば、おやじもおふくろも寿司が大好物だったんだろうな~!あの日は新月の大潮でよ、昼過ぎから潮の流れと風が変わったんだよ!向かい風・8メートルで、潮は逆目の上げ潮になりやがったんだ!そりゃ~、物凄い荒波が立っていてよ~!
インがすんなり逃げたかと思えば、大本命のインが飛んじまったり、安定板がついての2周回になってもレースはメチャクチャで一向に落ち着かなかったんだよな!オレはこんな水面のレースで勝負してたら、それこそケツの毛まで抜かれちまうと思ってな!12レースまで手を出さなかったのよ!』
         
ヤギさん『なるほどなるほど!レースを絞るのは、まさにギャンブルの基本ですものね?
でもどうして12レースは自信があったのですか?』

江戸川乞食『そんなの決まってんだろ!
あの日、12レースの1枠にのる高橋二郎のエンジンは、当時の江戸川のスーパーエンジンだったからよ!当時はあのエンジンを引き当てたら、誰であろうが優勝して、帰りはハイヤーで帰って行ったもんよ!』

ヤギさん『まさに戸田の44号機みたいなものですねぇ?』

江戸川乞食『だから頭は高橋二郎の1枠で鉄板だろ!
ようは2,3着を当てればいいわけだよな!あの頃はまだ3連単が始まったばかりでよ!
江戸川でも万舟がバンバン飛び出してたからな!ホントにおいしい時代だったよな~!今なんかよ、大本命の1が消えたって万舟にもならねーだろう?
みんな同じの買ってんだよな!バラバラとよ!
入れる額が違うだけで、みんな買ってんだよな?
同じような買い目ばかり百円で買ってんだよ!本命にはドカンとぶっこんでるのもいるから、本命の配当が低いだけでよ!3連単になってからは本命党も穴党もいろいろ買ってんだよな!今は点数絞って勝負してる奴は少ねんだよ!競艇は2連単のままで良かったんだよな?
2連単の頃はオッズも良かったしよ!売り上げも良かったんだからよ!彦坂、野中に黒明、国光、古川文雄、みんな懐かしいなぁ~!』

ヤギさん『師匠!早く12レースのお話しの続きを聞かせて下さいよ!師匠!』

江戸川乞食『あぁ~、すまんすまん!つい話しが脱線しちまって!なにしろ何年もオレの話し相手になってくれる奴なんていなかったもんだからよ!つい話しが長くなっちまって!』



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