なんとも見事に、、力でねじ伏せる投球を見せたデニス・サファテ。記録尽くしの1年の締めくくりはシリーズMVPであった。

かつて日ハム、そしてカープで。

日本球界で一瞬輝きを放ったリリーバーがいた。
エリック・シュールストロム。

彼は日ハムで活躍した後に故障。リハビリを終えるとカープの入団テストを受け合格。翌年には1軍でそこそこのピッチングを見せた。しかし2年目、公式戦登板中に再度利き腕を故障し降板、シーズンオフにそのまま引退してしまう。
このシュールストロム氏は本当に義理堅く、カープ球団とどういうやり取りがあったのかは分からないが「引退まで面倒を見てくれたカープには恩がある」と語っており、その後もずっとカープ駐米スカウトとして大車輪の働きを見せている。

情報網を活かした抜群のスカウティングで古くは「カープ史上最高投手」という声もある(私もそう思っています)コルビー・ルイスを獲得。黒田が去ってもうどうにもならないと思われていた当時のカープ先発陣に光を与えました。ルイスは期待以上の活躍を見せ、数字だけでなく日本のファンや選手たちに大きなインパクトを残してくれました。

コルビー・ルイス

カープからメジャー復帰後も日本で覚えた緩急を使ってレンジャーズのエースとして活躍。度々二けた勝利を挙げています。


その後も守備メインの人という事でグレッグ・ラロッカを連れてきます。

これも当時層があまりにも薄かったカープ内野陣に大きな助けとなりました。

グレッグ・ラロッカ
ラロッカは守備の人どころかその打撃が日本にフィット、長打力も兼ね備えて大きく開花、大変な活躍を見せる。

 

さらに元全米ドラフト全体1位のブライアン・バリントンのスカウトにも成功。

先発として安定感のあったバリントン


長年不安定だった守護神には剛腕のデニス・サファテを連れてきます。

サファテの剛球は冴え、カープがもうすっかり忘れていた待望のまともなクローザーが機能(すまん永川)し、カープが野球の勝ちパターンというものを久々に思い出すことになりました。


2年目のサファテが脱腸で急激に失速すると、すぐに巫女さま・キリストさまことキャム・ミコライオの獲得に成功。巫女さまは不調のサファテからクローザーの座を奪う活躍を見せ、脱腸のサファテは気力のも無くして所沢に去ってしましました。

キャム・ミコライオ

投球のダイナミックさは記憶に残る。


引き続き安定のクローザーを得たカープは若手野手が台頭、さらにこれもシュール便で送られてきた愛すべき男、大砲ブラッド・エルドレッドが日本に馴染んできます。栗原不在以来苦しんでいた長距離砲不在のチームにあってエルドレッドは本塁打を量産。キラ砲まで加わりとうとうカープは球団初のクライマックスシリーズ進出を果たします。

「カントリー」ブラッド・エルドレッド ままちゃりの似合う男

チーム四半世紀ぶりの優勝への足がかりを掴んだチームはノムケンの後を受けた緒方孝市監督が伝説的な迷采配を揮ったことにより、何故か4位し1年を棒に振ったものの、翌年にはシュールストロムがめげず送り込んでくださった3人の投手が大成功。

 

クォーター、クリス・ジョンソン

ルイス以上、チーム史上最強助っ人の声もあるクリス・ジョンソン

父型の祖母は日本人という日本人の血を受け継ぐ男


速球と変化球が1種類しかなく、最初は「ヒースじゃん」と思っていたが制球力と精神力が全く違っていたスマイル。ジェイ・ジャクソン

速球とスライダーのみで抑えるすごい奴

ナイスガイ!JJ


そして前に後ろに大車輪の活躍を見せたカッター、ヘーゲンズ

オリエンタルな彼女が美人過ぎると評判。ヘゲ。


奇跡とも言える同年同時に3人それぞれの外国人投手がそれぞれのポジションで大活躍するという、シュール便の集大成とも言える2016年の大当たりにより、カープはとうとう優勝を成し遂げる。

そして脱腸、、ではなくデニスのケツの完治後の活躍といえば、カープやライオンズのファンたちが悲鳴をあげてしまいそうな凄まじいパワーピッチである。いい時のデニスは手が付けられない。

ケツと言えば新幹線に乗っただけですぐに「ケツが痛い」と言い出し当日ブッチをかました巫女さまは、寒い仙台に行って予想通りにそのワガママぶりを悪化させて精彩を欠く。ついには髭を剃り自ら下界に降り、適当なピッチングを披露した後帰国した。
ラロッカもシーツに因縁をつけてカープから追い出したり、自身もカープを去った後にとうとう自軍の監督に喧嘩を売ったり大暴れしたものの、パ・リーグでも変わらぬ打棒を見せつけ活躍。後年年老いて引退した。

このように安定のシュール便で届く助っ人たちの日本へのフィットは半端ではない。またシュールストロム氏のカープ優勝への貢献は計り知れない。シュールストロム氏はカープ優勝の際にはアメリカの自宅でで早朝からネット中継で観戦し、涙したという。
あまりにも優れたそのスカウティングから、巨人からのヘッドハンティングにも合ったが、「カープへの恩義があり他で働くつもりはない」とこれを断っている。

 

何という男であろう。
こんな男の存在を一体どれだけのニワカープが知っているのであろうか。

デニス・サファテ。彼のシーズン記録の達成、日本シリーズMVPというのも全てはシュールストロムのスカウティングから始まっているのだ。