~ 書き起こし ~

 

佐倉亜希子がナビゲートする8分間のチューニングタイム

8 MUNITE TUNING

 

第9回は、鹿児島・妙見温泉

田島本館さんの囲炉裏をバックにお届けいたします。

 

田島本館さんには、とっても素敵な囲炉裏があるんですよ。

今回は、皆さまといっしょに

この囲炉裏を囲んでいることをイメージしながら

妙見で体験した不思議な導きのお話をしたいと思います。

 

 

 

妙見温泉に向かうバスの中で、私はある看板を目にしました。

そこには「熊襲の穴」と書いてあったんです。

熊襲とは、古代、南九州一帯を支配していた一族の名前。

そしてこの熊襲の穴は、ある重大な事件の舞台だったことを

到着してから知りました。

 

それは2世紀のこと

第12代景行天皇は、息子のオウスノミコトを南九州へ向かわせ

年貢を納めない熊襲族を討伐せよとの命を下します。

ある晩、熊襲族の首領であったカワカミノタケル兄弟が

各地の部下たちを呼んだ宴会の席に、

オウスノミコトは女物の着物を着て紛れ込み、

酒に酔ったカワカミノタケル兄弟を斬り殺します。

その時、カワカミノタケルの兄から

「熊襲で一番強い自分を討ち取ったあなたは

これからヤマトタケルと名乗るがいい」と言われ

勇ましいヤマトタケルの物語はここから始まったのです。

 

 

そしてこれは、熊襲とヤマトタケルの間だけに起こったことではなく、

時と場所を変え、人を変えて、日本各地で起こったことでした。

私の母方のルーツである東北では

阿弖流為(アテルイ)と坂上田村麻呂の物語があります。

そしてこの2年、私が6回も呼んでいただいた熊野では、

神武天皇になる前のカムヤマトイワレヒコと

土着の民の女王・ニシキトベの戦いがありました。

しかも、私が熊襲の穴に出逢ったのは

30年に亙りニシキトベの鎮魂をされてきた熊野の仙人さまが

天に還られたのと同じ日だったのです。

 

熊野で「仙人」と呼ばれるご老人に初めてお会いした時、

その方は私の顔をじっと見て

「あんたさんは、国つ神の側じゃな」と仰いました。

その日は、2018年10月5日。

どうしても外せない仕事があり、

翌日行われるご神事には参加できないのです…とお伝えすると

「それでも熊野まで来てくださったんなら」 と、仙人は

5日にもご神事を行ってくださったのでした。

 

「いつかやらねば…と思いながら、

ずっと後回しになっていたご神事がここでやっとできた。

 あんたさんのお蔭や」

そう仰って、仙人はそれから私を“五日姫”と呼んでくださいました。

 

最後にお会いしたのは、亡くなる10日前。

「あんたさんの後ろにいる方が、わしに引き合わせてくれたんじゃ」

「向こうに行っても、姫たちをずっと守ってあげるからね」

手を握り返しながら伝えてくださったお言葉、生涯忘れません。

 

その直後に訪れたのが、熊襲の地でした。

もうね。

単なる偶然では、片付けられないでしょう。

湯治に来たはずが、やはり「呼ばれていた」のだと

仙人のお導きと神様の計らいを感じずにはいられませんでした。

 

そして、カワカミノタケル兄弟がヤマトタケルに滅ぼされた洞窟には

看板に、こう記されていました。

「熊襲こそ貴族」

 

 

熊襲族の首領であったカワカミのタケルが開いた宴会の席には、
臣下の55の地域のオサが参加していたそうです。

オウスノミコトは、たった一人。
カワカミノタケル兄弟を斬った後、逃げおおすことは

まず無理だったでしょう。

オウスノミコトが生きて帰れたのは、

「この人を決して殺すな。必ず無事にお送りしろ」と

兄のカワカミノタケルが臣下に言い残したからだったのです。

 

そうしなければ、熊襲は天皇と完全に対立することになり、

リーダー2人を一度に失った熊襲は

完膚なきまで討ち滅ぼされたかもしれません。

そこまででなくとも、血で血を洗う闘争が起こったに違いないでしょう。

カワカミノタケルは、今わの際にそれを阻止したのです。

 

これもまた、東北や熊野でも起こったことでした。

これ以上戦っては、根絶やしになってしまうかもしれない。

そう悟った辺境の地の長たちは、自らの意志で戦いをやめ

天皇の命に従うことを示したのです。

 

その高潔な想いに触れ、私はひとり、洞窟の中で泣きました。

同時に、私の中に確信が生まれました。


この1年、私は徹底的に自分自身のチューニングを整えると意図を立て

12月21日の冬至までに完結させると決めてきました。

 

自らの本質にTUNINGすれば
天の波動との共振が起こるはず。
その仮説を、ひたすら検証してきました。

 

熊襲の洞窟に導かれたことで
私は自分のチューニングが整ったことを実感したのです。

これまでの探求の旅で得てきた様々なピースが

ようやくひとつの絵となり

この先の方向性も、はっきりと見えました。

 

天はこんなやり方で、私の魂の願いに応えてくださるのだと

身をもって体験したのです。

 

この配信を聞いてくださっている方々にも

「天と繋がる」エネルギーが伝わりますように。

 

今日はここでお暇致します。

年の瀬、どうぞご自愛くださいね。

ごきげんよう。