巨人の花よめ -スウェーデン・サーメのむかしばなし-
菱木 晃子/文
平澤 朋子/絵
2018年
BL出版
1760円(税込)
昔、スウエーデンの北の方に流れる大きな川の側に、サーメ人が住んでいました。
サーメ人は大切なトナカイとともに、寒くて厳しい北の大地で暮らしています。
サーメ人の男、ネイネ・パッゲにはトナカイ以外に大切な存在がありました。
娘のチャルミです。
娘は美しくかしこく、多くの男がチャルミをお嫁さんに欲しいと言ってきました。
しかしチャルミはお嫁に行く気などありません。
今の生活に満足をしていましたし、何より父の跡を継ぐつもりでいたからです。
そんなサーメの人々が住む川の向こう側には、一年中雪をかぶった高い山がそびえていました。
そこには、恐ろしいひとりの巨人が住んでいました。
トナカイの群れを襲ったり、サーメ人のものを力づくで奪ったり・・・巨人は人々に嫌われ、そして恐れられていました。
そんな巨人が、美しいチャルミに目を付けました。
そして、ネイネ・パッゲに「娘を嫁によこせ」と、言ったのです!
乱暴な巨人のもとに娘を嫁がせたくないネイネ・パッゲ。
どうにかしてチャルミを嫁にもらおうとする巨人。
かしこい娘チャルミと巨人の攻防が始まります。
果たしてチャルミはどうなってしまうのか・・・スウエーデンに伝わる昔話をもとに書かれたお話です☆
絵を描かれた平澤朋子先生は、厳冬のラップランド地方にも出向かれたそうです!