練習は楽しかった。

 

大きな声では絶対に言えないのだが

実はオペラがあまり好きでない。

 

勿論好きな演目もあるし

劇場に見に行くと

流石良く出来た曲だなとか

この歌手は上手だなと感心したり

物語や音楽に感動したりもする

自分が演じるのはどうかというと

好きでない、と言う答えになってしまう。

 

演技をするのは嫌いではない

演技が下手だとは思わない

ではなぜオペラに出たいと思えないのか

 

ひとつは歌に集中出来ない事があると思う

芝居と歌を一緒にすると歌に集中しにくい

(不器用なのであろうか)

他の歌手の声を聴きながら歌うのも非常に苦手である

 

それと

みんなで一緒にというお祭りみたいな高揚感が

気恥ずかしくなってしまうのである

皆がはしゃいでいるのを見ると

どんどん醒めてしまう自分が悲しくなる

 

そんな私が

今回演技しながら歌うこと

皆で一緒にひとつのものを創っていくことの

楽しさを味わえた

奇跡である

 

こんな年になって新たな発見があったのは非常に嬉しい。