また投稿が途絶えてしまった。

 

久しぶりに演技付きの舞台に立ったのでそれについて話したい。

 

10年ほど前に初演したこの演目は

当時は編成も違うもので、演奏会形式であった。

今回編成も新しく

曲自体も大幅に加筆されて再演が決まったのだが、

暗譜が非常に不安であった。

 

音楽のタイミングで覚えるのであれば

長年の習慣でなんとかなるのであるが、

もう一人の登場人物の語り手の言葉を覚えないと自分の出が解らなくなるので

非常に手こずった。

 

陶器の誕生の話なのであるが、

専門用語が多過ぎて

イタリア人でも理解困難なテキストを

未だイタリア語に苦労している私がどうやって覚えよう。

アンサンブルと合わせるまで

暗譜が出来ているのかさえ判断しかねるという

不安で堪らない状況で練習していた。

 

しかも私の役は

素材の土が芸術作品になる工程、という設定であった。

 

人間でない役を演ずるのは嫌いではない。

 

登場するのは陶芸家の役の俳優と二人きり。

まだ若いが素晴らしい役者で

一緒に舞台を作るのが楽しかった。

 

 

会場はリグーリアの港町サヴォーナのシスティーナ礼拝堂の中庭。

 

裸足で演じるのだが、日光で照らされた舞台は火傷しそうに熱くなっていたので

ビーチサンダルを履いている。