猫が好きである。
犬も可愛いなと思うのだが、飼ったことが無いので良く解らない。
恐らく子供を持つ前、子供って可愛いけれど、持ったことがないので解らないと思っていたのと同じ感覚なのであろうか。
猫は飼う前からとても好きだった。
父は猫嫌い(というよりは怖いらしい)、母は異常の域に達しそうな消毒魔なのと、マンション住まいであった為
日本に居た頃は飼った事がなく、それはそれは猫との生活に憧れていた。
野良猫や、知り合いの猫にじゃれてもらっては満たされない欲求を埋めていた。
そして24でイタリアに渡ったのだが、イタリア猫と仲良くなりたくて仕方なかった。
実はイタリアに着いて一ヶ月目に夫と知り合った。
私のアパートの真上に住んでいたのである。
世話好きなアパートの住人から、右も左もイタリア語も解らない私に
「あの上に住んでいる男の人はどうもピアノを持っているらしいから、借りたらいい」
と教えてくれ紹介してもらったのがきっかけだった。
何故猫の話なのに夫と知り合った経緯を話すかというと
実は
夫はその時猫を飼いだしたのである。
コモ湖沿いの県道に捨てられていた子猫を彼の母(これがまた猫好き)が
発見し、半ば強制的に夫が飼うことになった。
グレーの毛に緑色の目をした
それはそれは可愛い子猫であった。
私は骨抜きになった。
猫もピアノも(一応)夫もいる上の階のアパートに入り浸りだした。
念願の猫との生活を満喫した。
この猫は19年も生きた。
私のイタリア生活19年間を彼と一緒に過ごした。
まあびっくりするくらい、そして稀に見る
頭の悪い猫であったが
本当に可愛かった。
今でも逢いたい。
ぴいにいちゃんについてはまた機会があったら書きたい。