下の娘が風邪をひいて寝込んでいた。
私は、風邪は体の偏りを治すために体が熱を出し、
全身を緩め、整えているのだと考える。
なので、基本的に病院へすぐには連れていかない。
呼吸、脈、目の動きを見て、
水をこまめに飲ます。
食事は栄養のあるものを控える。
そして、体の流れが滞っているところが、
自然に流れやすくなるようにだけ、少し動きをつけるために体の手当てをする。
そうしていると熱は下がり、回復期を経ていつもの元気な彼女の姿に戻っている。
数年前に娘は手術をして、
その時の経験から、
「全てのことはなるようにしかならない」と思っている。
だから、私は今私のできることをただ淡々とするだけだ。
もちろん最初は寝込んでいる娘の姿に、不安な気持ちも現れたりするけれど、
ただ今の彼女の呼吸に耳を傾け、
私の呼吸を知って、合わせて、
ただ今をひたすら感じていると、
目の前にいる娘への愛情がただひたすると溢れてくる。
生命の力に感動し、
今彼女が生きていることに感謝の気持ちばかりになる。
それは生まれたばかりのこの子に抱いた
純粋にただ命に対して湧き出た気持ちと
とても近いものだった。
なんて可愛いんだろう。
なんて懸命に全身は彼女の体を維持しているのだろ。
全ての動きは美しくて、完璧だ。
ただこの子の望むものを体験してほしい。
ただこの子がこの子のまま、健やかにあってほしい。
やりたいことはなんでもやってほしい。
ほしいものはなんでも与えよう。
望みのままに、ただ生きてほしい。
苦しいことがあれば、その苦しみを抱きしめて、愛せる強さを。
その強さを持てるように、
そっとそれを信じて隣で、力を貸させてほしい。
体は健やかに、彼女の命が燃えるまに生きてほしい。
彼女の力がより発揮できるように、
より自然に流れるように、
彼女の力を信じ続け、
そして必要なら少しだけ力をかさせてもらう。
少しでも自分の力が発揮できるように。
それは子供が三輪車で夢中になって遊んでいる時、
目の前に落ちてある小石を拾ってあげるような。
より子供が、自分の喜びに集中できるように。
子供がやりたいことをやり切れるように。
泣いてても可愛い。
怒っていても可愛い。
ただあるだけで、こんなにも愛おしい。
ただあるだけで、私の心はこんなにも喜びに満ちる。
この子は私の喜びだ。
なんでも応援するよ。
なんでも叶えてあげよう。
あなたが少しでも喜びの中にいるように。
あなたが少しでも楽に過ごせるように。
あなたの魂が喜びの中で輝くことが、
私の喜びだ。
そんな気持ちで、ただ目の前の娘へ湧き出る想いに浸っていた。
そうして、ふと思ったのだ。
もしも、神様がいたとして、
この世は神様が作って、
私たちが、神様の子だとしたら。
この世はフラクタル構造だと言うのなら。
おんなじように、今この瞬間、
神様は私を見つめているに違いない。
我が子にただこんこんと湧き出る愛は、
同じように神様の我が子である私に注がれているに違いない。
ただ私が存在していることに、
神様は喜びとして心を溢れさせているに違いない。
ただ愛おしいものを見つめる目で、
私は神様に見つめられているに違いない。
全ての望みを叶えてあげよう。
そう思って神様は、三輪車に乗っている私には気がつかないように、
どこかで目の前の小石を外して、
私の望みを叶えるように、
喜ぶように、
今の私には気がつかないけれど、
今この瞬間も私の望みを叶えるために、
力を貸してくれているのかもしれない。
ずっと応援してくれて、
ほしいものを与えてくれているのかもしれない。
さっき娘に想ったことを、
全く同じように神様は私に想い、
そして力を貸してくれているのかもしれない。
そして、神様はこんなに湧き出て止まらない
私への愛の中にいるのかもしれない。
私は神様の喜びなのかもしれない。
ずっとずっと、前からそうだったのかもしれない。
そんな感覚に包まれた。
静かな時間だった。
だとしたら、
私は自分の望みのままに生きよう。
自分のやりたい事を叶えよう。
遠慮せず、ただ自分の思いのままに。
望むままに。
私が子供に対して持った想いのように、
神様も思ってくれているのだから。
望む事を叶えてくれて、
応援してくれて、
それが喜びになるのだから。
ずっと、私は自分を良いものではなくて、
とてもよくないもので、
自分一人だけ何か違う世界にいるような気がしていた。
でも、もう違う。
きちんと私は愛を知っていっている。
愛を学んでいっている。
これまでも、その道の途中で、
これからもその道にいるだけ。