当時ハワイに住んでいたので、ハワイから3回乗り継ぐ長旅になった。待ち時間も含めると24時間以上の旅。激安航空券だったため、待ち時間が本当に長かった。カリフォルニア、シカゴの空港では5時間以上待った。私の乗った飛行機は一度フランスを飛び越え、ドイツのフランクフルト国際空港を経由した。
ドイツで1時間ほど待ち、フランスのニースに向かう飛行機に乗り込む。当たり前だけれど、周りの人の話す言葉はもう英語ではない。ドイツ語なのかフランス語なのか、もしくは他の言語なのか私には検討がつかなかった。多少の不安はありつつ、一度飛行機に乗り込むと、雲の少ない日のフライトだったためヨーロッパの大地が見え、自分が本当に生まれて初めてヨーロッパに来た事実を確認して感動を覚えた。この初めてのヨーロッパへの旅は私にとって、出会って2週間で婚約、3ヶ月で結婚した旦那との新しい生活のための大きな旅だった。親戚や友人達にとってはまさに電撃結婚だったのだが、旦那が大学院生だった事とビザの事もあり、結婚式の2日目にフランスに発った。それから私は5ヶ月ほどハワイに残り、就職先である事務の仕事を終わらせて引っ越し。フランスに移動してようやく本当の結婚後の生活が始まるというわけだ。しかも言葉も文化も全く分からないフランスという場所で。とても胸が高鳴っていたのを覚えている。

ニースでは少し緊張した面持ちで、旦那が待っていてくれた。スーツケース1つに大きなリュックを背負い、長旅の末の私は旦那にやっと会えた嬉しさと疲れで微妙な顔をしていただろうと思う。
到着したのは夕方6時頃。そこから車で3時間ほどかけて3ヶ月ほど生活をするサミシェル、オートプロバンスへと向かう。旦那が運転する車は日本の軽自動車のような型のコング(Kangoo)。
Kangoo車のウィキペディアダウン
http://en.wikipedia.org/wiki/Renault_Kangoo

とても庶民的な印象を受けるその車は、とても乗り心地が良かった。ニースの街はあまり見ず、そのままサミシェルへ向かった。夜10時近く、ようやく日が沈み、辺りが暗くなった頃サミシェルにある新居に到着した。
フランスの夏の日の入りは遅い。私が到着したのが5月末だったのですでに夏の気候。日が沈んだのは9時半頃だった。